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2007年11月

2007年11月30日 (金)

流浪日記 540 携帯電話フルブラウザ搭載と新販売手法

  携帯電話フルブラウザ搭載と新販売手法 
            続・携帯電話冬商戦の行方  30/11/'07

 905iシリーズを発売したNTTドコモへの関心が高いようである。携帯電話端末販売の新手法にも話題が集まっていることはメディアの扱い方で一目瞭然、昨日29日にはソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ株式会社製の「SO905i」が発売になって、パナソニック モバイルコミュニケーションズ株式会社製の「P905i」と、人気を二分しそうな予感があるが果たしてどうであろうか。商品の個々の説明はドコモや端末メーカー独自のサイトで確認できるが、今日は特にSO905iにFOMA初のフルブラウザとして搭載された、株式会社ACCESSが提供する携帯端末向けの「NetFront Browser v3.4」のリリースを中心に記録しておきたい。まずは二機種の商品説明の頁をまとめておこう。

 ◎FOMA P905iのページ NTTドコモ
    http://www.nttdocomo.co.jp/product/foma/905i/p905i/index.html

 ◎P905i 松下電器パナソニック商品紹介 ドコモ商品ページ  
    http://panasonic.jp/mobile/docomo/p905i/index.html

 ◎FOMA SO905iのページ NTTドコモ
    http://www.nttdocomo.co.jp/product/foma/905i/so905i/index.html

 ◎SO905i ソニー・エリクソン製品紹介 ドコモ商品ページ
    http://www.sonyericsson.co.jp/product/docomo/so905i/

 そしてACCESSの、ドコモSO905iと208年1月から2月にかけて発売予定とされているSO905iCSに、FOMA初のフルブラウザ向けに最適化したアプリケーション「NetFront Browser v3.4」を搭載したというリリースを見よう。

 ◎NTTドコモの「SO905i」「SO905iCS」に「NetFront Browser v3.4」を提供
    −フルブラウザに特化した最新機能を携帯電話向けに初搭載−

      株式会社ACCESS 報道発表資料 2007.11.29
  ■「NetFront Browser v3.4」は、インターネットアプリケーションに対応した先進のブラウザで、アプリケーションの拡張により、ブックマークサムネイル機能とVirtual Pointerを「SO905i」「SO905iCS」に携帯電話向けとして初搭載し、PagePilot機能の提供やAjaxにも対応するなど、フルブラウザに特化した最新機能を提供し、スムーズなアプリケーション連携を実現しています。さらにソニー・エリクソン製独自のスピーディーな操作を可能とする「+JOGTM (プラスジョグ)」と「ビューイングタッチキー」を使ったスクロールにより、縦・横画面のどちらでも操作が容易なパソコン向けサイトの快適な閲覧環境を提供し、操作性に優れたユーザ・インターフェースを実現しています。携帯電話の高機能化により端末操作が複雑化しており、使い勝手の良いユーザ・インターフェースが注目される中、携帯電話メーカの既存ユーザ・インターフェースと統一性を確保したフルブラウザアプリケーションの提供により、操作性に優れた端末の迅速な市場投入に寄与しています。
    http://www.jp.access-company.com/news/press/2007/071129.html

 リリースから記事化しているメディアは数少ないがひとつだけ記録しておこう。

 ◎ACCESS、NTTドコモ「905i」端末に拡大・縮小できるフルブラウザ提供
   シーネットネットワークスジャパン株式会社 CNET Japan 2007/11/29 19:48
  ■NetFront Browser v3.4は、インターネットアプリケーションに対応したブラウザ。このたび、携帯電話向けとして、いくつかのアプリケーション拡張を行っている。
 視覚的にサイトを管理できる。 まず、「ブックマークサムネイル」として、お気に入りサイトのページタイトルとURL、またページの縮小画像を同時に複数表示して、視覚的にサイトを管理する機能を搭載。「PagePilot」として、ページの見たい箇所を選択して適切なサイズに拡大・縮小表示する機能も搭載した。

    http://japan.cnet.com/mobile/story/0,3800078151,20362092,00.htm

 リリース内容と殆んど変らないものの短く簡単に読みたいという方、携帯端末市場に与える影響などを書いてこそ記事というものだと感じられることとおもうが、記事全文の確認をされるとよい。時間がなくなりつつあり、ACCESS社についての記録や多くのおもいを書けないのが残念であるが、日経NIKKEI NET IT PLUS石川温氏によるドコモ905iシリーズの販売状況の記事が掲載されているので、当ブログ読者の方に必読とお薦めしたいのでそれを優先させておく。

 ◎ドコモ「905i」出足は好調・12月には脱「一人負け」なるか
    日経NIKKEI NET IT PLUS モバイル最新ニュース 2007年11月29日
  ■ショップなどによると、一括払いでの購入者は全体の3割程度になっているという。これは905iシリーズの発売直後の購入者データであるため、バリューコースに対する知識が高く、携帯電話を頻繁に機種変更するユーザーという可能性が高い。そのため、短期間で機種変更するのを想定し、次回の機種変更時に残金を精算するのを敬遠して、一括払いを選択している傾向があるのかもしれない。
 また、家電量販店では、分割払いにしてしまうとポイントが付与されないケースもあるということも、一括払いが増える原因になっているようだ。

    http://it.nikkei.co.jp/mobile/news/index.aspx?n=MMIT0f000029112007

 バリューコースに関する筆者の考えを残すものだが、頷ける内容とおもっている。また、分割払いには後日の機種値下げがあっても何の恩恵もなく当初の契約どおり払いつづけねばならず、今後新機種がどれだけの間隔でリリースされていくのかが不透明のためこの面でも敬遠される方もいるのではとおもうのだ。まだまだ発売当初であり、携帯端末購入者の動向を決め付けるにははやいものの、総務省の思惑どおり販売奨励金解消の一歩として機能するのかどうか見守りたいとおもう。




2007年11月29日 (木)

流浪日記 539 携帯電話冬商戦の行方

   携帯電話冬商戦の行方   29/11/'07

 NTTドコモから905iシリーズの一部が発売になっている。早速ドコモショップに行き実物の感触を確かめようとしたが、売り切れということで目的を達せずじまいである。聞けば数台しか入荷せず、開店待ちの客が数人いたとのことですぐになくなったそうである。で、予約受付中ということにし、新販売手法による価格の説明に終始しているという。上々の滑り出しということか、或いはドコモ自体が初期ロット生産見込みを誤りショップへの送達数が少なすぎるのか、全出荷数が公表されていないからなんとも釈然とはしないスタートということにもなろうか。商品供給に遅れがないようにしないと、KDDIauソフトバンクモバイルとの熾烈な競争、新料金手法による冬商戦の行方を左右しかねない。

 携帯電話の新料金プランによる販売手法の三社の優劣、とくにドコモとauとの比較はメディアが今月初めから盛んに記事化、読者への情報提供合戦となっている。単純に結論を拾うと「よりややこしくなってどちらがどうとすぐに分からない、分かりづらい」ということではないだろうか。一般紙でも直近では27日読売大阪版経済14面が大きく扱っていた。その一部の内容がWEBで読めるので記録しておこう。

 ◎ドコモ、KDDIの「新プラン」比較は困難
    読売YOMIURI ONLINE ネット&デジタル 2007年11月27日 読売新聞
  ■ドコモによると、販売奨励金を使わない新プラン同士の場合、1か月の通話時間が1400分以内であれば、ドコモの方がKDDIより全体の出費は少ないという。逆に、KDDIは、奨励金がある従来プランでは「奨励金による値引きを考えるとトータルのコストはドコモより安い」(広報)と主張する。
 また、ドコモによると、ソフトバンクモバイルに比べてドコモが割安なのは、「自社端末同士の通話比率が20%」で「通話時間帯の比率が午後9時〜午前1時が25%」の場合に、「月1050円分以上通話する利用者」とややこしい。新プランでも条件がたくさんあるだけに、どこがお得かは利用の仕方に大きく左右されることは変わらない。

    http://www.yomiuri.co.jp/net/feature/20071127nt0a.htm

 関心があれば全文を読まれること、掲載されているのは本記事の一部だけなのでさらに詳しくは朝刊記事は必読の内容となっている。買っているのは読売ではないのでそれは困るという方は、少し古い記事になってしまったが次の記事をお勧めしておきたい。

 ◎携帯電話の新料金プランはユーザーに何をもたらすのか
    日経BP社 ITpro 携帯&モバイル 2007/11/05
  ■携帯電話の利用形態や利用頻度はユーザーによってまちまちで,一概には言えないのだが,乱暴を承知でこれらのコースを評価すると,多くのユーザーにとって有利なのは,NTTドコモの場合は補助金なしのバリューコース,auの場合は補助金ありのフルサポートコースとなるだろう。
  ■NTTドコモの場合,ベーシックコースの端末購入補助金は1万5750円。バリューコースとベーシックコースの基本料金の差が月1680円あるので,10カ月間使えばバリューコースの方が得になる。ひとりでも割50を使えばベーシックコースの基本料金が半額になるが,バリューコースでもひとりでも割50が使えるので,2年間の継続契約という条件は加わるものの,月間の基本料金が840円安くなるバリューコースの方が有利という点は変わらない。2年間使う間に,1万5750円という補助金以上の料金差が生まれるからである。
    http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/OPINION/20071101/286185/

 ドコモの新プランに関するところを重点に記録したものであり、記事は販売奨励金についての解説を含む、非常に分かりやすいものであるだけにこれも全文必読と自信をもってお薦めしておきたい。

 読売記事もITproの記事も文章からはなかなか分かりにくいとおもうが、ドコモで購入を考えているならバリューコースが二年間で20,160円(最も安い料金プランに加入するとして840円×24ヶ月)が、ベーシックコースの端末購入補助金額1万5750円より上回るから、分割払い購入(バリューコース)が一括払い(ベーシックコース)より得となる。
 つまりは、分割払いは好まないという方も、バリューコースで端末代金を一括支払いにする方が得ということだ。金利がかからない分、当然分割払いが得ということなのだが、これは人それぞれ考え方の違いであろう。ネットではこの他多くの、賢い新携帯端末の買い方が解説されたものを読むことが可能なので、冬商戦に一枚参加しようと考えている方は色々な記事を是非読んで欲しい。疑問があればドコモやauショップで納得がいくまで聞くことだ。ただし、昨日はドコモショップで17人待ちだったから時間帯なども考えて行かれるとよい。このさいau機種はそのままに、ドコモの初期ワンセグ機種のみ買い替えしようかなと思いはじめた一人として、今日の日記内容としたものである。




2007年11月28日 (水)

流浪日記 538 労働契約法が今国会成立へ

  労働契約法が今国会成立へ   28/11/'07

 大阪地裁によるNOVAの破産手続き開始決定を聞いて、思うこと考えたことを綴ろうとしたのが昨日の日記「働くことと有期雇用」である。しかし時間切れのためおもい上手くまとめ切れずにアップ、読み返せば赤面の至りである。むずかしく書くつもりはなく、要は自己責任の大きさと政府機関の頼りなさを書きたかったこと、旧NOVAの外国人講師の多くが一年という有期雇用であったこと、昨今の雇用情勢から企業が日本人の雇用に当っても社会保険加入の負担を逃れるべく試用期間は加入しないということがまかり通っていることに憤慨していると書きたかったのだった。それゆえに昨日の日記のような中身では、何を言いたいのかしらん、とおもわれても仕方のないものと反省しているだ。まして最後には、改正労働法関係の成立が参議院の情勢から成立するのかどうか分からないと書いたことも、反省のひとつなのである。

 27日の参院厚生労働委員会で改正最低賃金法と労働契約法の二法が可決され、今日28日の参院本会議で可決成立する見込み とのことである。新聞各紙による報道が防衛省関連のことばかりが強調される紙面作りのため、国会の動きを見落としていたのが原因ではあるが、今更言い訳を言っても詮無いことではあろう。これもまた反省することしきりである。そこで今日は、幾つかの補充をして当日記の名誉挽回を図っておこうというのが今日の内容である。

 まずは、衆議院に上程された労働関係三法案のうち「労働基準法改正案」が衆院で可決されず、継続審議となったことを次の記事でおさえておきたい。

 ◎<労基法改正案>「月80時間超」の政府案が継続審議に
    毎日jp 11月15日18時54分配信 毎日新聞
  ■今国会で審議中の労働3法案のうち、労働契約法案と最低賃金法改正案は、与党と民主党が修正案に合意し衆院を通過した。しかし、労基法改正案については、50%の割増賃金を適用する時間外労働の基準をめぐり、「月80時間超」の政府案と、「週40時間を1分でも超えたらただちに」とする民主党案の開きは大きく、調整が難航していた。長勢会長は「民主党の意見と違いが大きく、対応不能の部分がある」と記者団に語った。
    http://mainichi.jp/info/index.html

 記事全文の確認をお願いしておくが、自民・民主の話し合いがつかなかったことが継続審議とした大きな理由であることが書かれている。賃金の割増率を巡る意見の違いということなのだが、労基法の規定はそもそもが週40時間労働が原則、労働時間の短縮どころか時間外労働に対する規制どころか、自民党案が月80時間を是認すること自体がおかしな話しとおもわざるを得ない。現在でも月45時間を越える時間外労働が三ヶ月以上続き、人間らしい生活が送れず体調不良等で退職しても、雇用保険受給の際自己都合退職とならず会社都合と職業安定所に申立てできるようになっている。このような労働者保護の実務的政策を自民、民主にかかわらず、国会議員の方々は知っているのだろうか。労働貴族といわれる一部の労働組合幹部ともども営利追求のまえに成すべきこと、真に働くものへのへのいたわりを実現して欲しいものである。

 さて成立するであろう、最低賃金法改正案と労働契約法案にも賛否両論あることが記事化されている。特に読売大阪版朝刊三面は労働契約法についての特集記事を掲載しており、成立を前にタイムリーな紙面づくりとなっている。ネットでは読めないので、関心がある方には駅売りを買ってでも読まれてはとお勧めしておきたい。もちろん改正最低賃金法についても書かれていることを明記しておきたい。ここでは過去の読売記事から、簡潔に問題点を書いてあるとおもうものを紹介しておくが、今日の朝刊記事と見比べて欲しいものである。

 ◎労使関係と法の役割
     読売YOMIURI ONLINE 2007年1月12日 読売新聞
  ■労使問題に国がどこまで関与するのが妥当か。全企業を一律に扱えるものなのか。法を整備すれば企業社会にプラスになるとは限らない。従業員に温情ある制度となるか冷酷な制度となるかは、運用や解釈で違ってきたりもする。
      http://job.yomiuri.co.jp/news/jo_ne_07011223.cfm

 読売といえば、今日は三菱UFJニコスの期退職募集に全正社員の約37%にあたる2483人の応募があったことも伝えている。何時付けの退職となるのかまでは書かれていないが、年末を前に2483人のうちの大多数のひとたちに冷たい風が吹くであろう。再就職が容易でないこと、これまでの労働条件とは雲泥の差となることを実感することおもう。この時代、労働法関連の知識と実務は必需と、生きていくためには知っておくこと、と強く勧めておく。我が身に置き換えてそうおもうものである。




2007年11月27日 (火)

流浪日記 537 働くことと有期雇用

    働くことと有期雇用   27/11/'07

 昨日26日に、大阪地裁で英会話教室NOVAの破産手続き開始が決定された。このことにより、債権者への配当は極めて困難と管財人が会見で話したことが、朝刊各紙で記事化されている。今はNOVAの教室再開も中途半端なままで、通いたくても通えないまま実質的に受講料が戻ってこないことを強いられるわけで経済産業省の責任はおもい。NOVAに対する行政処分が正確な経営状態も把握できないまま出されていたことが露呈したわけだし、一義的には経営責任ではあるものの、これまでNOVA商法に加担していたことを手のひらを返すように方針転換したわけだから、余計に経営状況も判断できない行政の無責任さが問われるべきとおもう。とはいえ、資本主義社会で生きている一員であるから華やかな宣伝や美麗なキャッチフレーズに騙されない賢さが求められていたことも確かなことであろう。己の身は己で守るという根源的な問い掛けがなされたNOVA商法であったとおもうばかりである。

 それはNOVAの外国人講師にも当てはまることで、日本で母国語を教えながら収入を得られるという甘い囁きに応じた自己責任も問われなければならない。企業の営利追及の犠牲になったことは同情するに余りあるが、世の中そんな上手い話ばかりがあるわけはなく日本もまた資本主義経済であることを痛感されたこととおもう。それは賃金未払いだけでなく社会保険に加入していない問題が端的に現している。このことに関しても、一企業の責任だと政治と行政は何もしなくていいのならこんな楽なことはない。それはそうだ。自国民にすら有期雇用制度を拡張し働くことの安定を求めない姿勢では社会全体の安定もない。先日は「就職フェアと新社会人転職事情」として取上げたところだが、このような社会であるがゆえに正社員の地位獲得を目指す新社会人予備軍同士の競争もまた激しいものがあることだろう。

 働くことの本質は何も変らないはずが働くことの条件のみが変質していく社会、そのひとつの問題として有期雇用に関する記事から学んでおこう。

 ◎民主が労働契約法案提出 「有期雇用契約」厳しく限定
      朝日asahi.com 2007年09月28日
  ■法案は有期雇用契約を厳しく限定することにより、人材が使い捨てされる「雇い止め」と呼ばれる社会問題の撲滅を目指す。バイク便ライダーやトラック運転手などの従来労働法が適用されなかった立場の弱い「個人事業主」にも適用を拡大し、待遇改善を促す。
 一方、正社員の長時間労働についても、経営者に「労働者が仕事と生活の調和を保つことができるよう配慮する」よう明記して是正を求めた。

     http://www.asahi.com/job/news/TKY200709280315.html

 と、民主党が『政府の労働関連3法案のうち、雇用ルールを新たに定める労働契約法案の対案を衆院に提出した』ことに関する記事だが、労働基準法改正案と最低賃金法改正案そして労働契約法案の労働関連3法案のうち、自民党と民主党の間の話合いにより、8日の衆院本会議で改正最低賃金法と労働契約法の2法案は可決されて参議院に送られている。しかし、これは有期雇用がなくなる法案ではなく現制度を法的に後押しするものにすぎない。参議院の状況からして今国会で成立するのかどうかは分からないが、格差社会というものが今後も厳然として法の下に存在することだけは間違いないとおもっている。今回のNOVA騒動については、日本の現実が色々見えて、考えなければならないことが多いとおもったことであった。




2007年11月26日 (月)

流浪日記 536 ブログでコミュニティ

   ブログでコミュニティ   26/11/'07

 来月12月24日で3年目に突入する当ブログなのだが、この夏ごろから今後どのように変革させていくか考え出している。ユニーク訪問者数が現在12万を越え、延べ頁数閲覧が29万近く、おそらくは年末には30万前後にはなっているだろう。検索サイトからの訪問者も数多く固定読者数以上の来訪となっていることから、ネット社会が本人の意思とは無関係に構築されていることを常に意識しながらここまでやって来た、とおもっている。初期の頃は勝手に検索サイトの上位にあがることに抵抗があったものだった。ひっそりとネット界の片隅で生きていくつもりがそうもいかなくなって、これはコメントをお寄せいただく方が増えてきたことで余計に感ずるところであり、トラックバックは当初から断ってきたものの、コメントの扱いにいささか困った時期があった。現在は実質コメントを閉めだしている設定にしていて、お寄せいただくことはめったとない。左横の通信機能を使われる方も少なく、やれやれという感じである。

 ブログによるコミュニティ機能をいわば否定しているようなものなのだが、これでいいと思っている。返信を書く時間がとれそうもなく朝の片手間にデジタル日記を書くのが精一杯であり、どうにか毎日の更新のみ続けていることでそれに変えているつもりである。記事のリンクのみ勝手に貼られて、どうかすると異常に訪問者が増加するときがある。顕著なのが巨大掲示板2ちゃんねるでのリンクである。解析機能を使ってリンク元をたどるが、なかなか特定出来にくい2ちゃんねるの仕組みになっていて、訪問の多い記事から類推してたどりつくといった按配である。三洋電機関連の記事に多いことを書いておくが、真面目に三洋電機の今後のことを考えている展開に止むを得ないとおもうことがしばしばである。で、ブログよるコミュニテイを楽しんでおられる方も少なくないのは承知しているものの、当ブログについてはこのままでいいとおもっている。できれば特定の方々にひっそりと読んでいただくことが理想なのだが、そうもいかないネット社会であるがゆえに、これは三年目以降となっても変える気はないとしておこう。

 シーネットネットワークスジャパン株式会社運営のCNET Japan内のブログに、「ジャーナリストの視点」と題したブログがあり、最新の記事が今日の日記のテーマを書き出させた原動力となったものである。筆者は佐々木俊尚氏といい、毎日新聞記者からフリーのジャーナリストに転身された職業とする方である。まだ当ブログ作者よりは大分若い方ではあるが、活躍ぶりを氏のホームページで確認することが可能なので紹介しておく。

 ◎佐々木俊尚 公式サイト
     http://homepage3.nifty.com/sasakitoshinao/

 CNET Japan内のブログ記事は毎回読んでいたが、こうしてホームページにまでを確認したことは初めてであるが、かつてモノ書きを志したひとりとして、いまだ若ければ転身したいものだが趣味で書いているときが華だと自戒しつつ、更なる活躍を願っている。

 ◎ブログの「浸透と拡散」 佐々木俊尚 ジャーナリストの視点
   シーネットネットワークスジャパン株式会社 CNET Japan 2007/11/25 11:50
  ■ほんの二年ほど前までは、ブログの世界はおそらくとても小さかった。書いている側も、読んでいる側も、それぞれインターネットの先端的ユーザーで、ネットの世界の空気感を共有していた。つまりは同じ価値観という基盤の中で生きていて、他のブロガーたちに仲間意識を感じ、だからこそブロゴスフィアから派生したリアルの人間関係を培うこともてきたのだった。
 ところがいまや、ブログの普及と拡散とともに、その共通の価値観は失われつつある。いや、失われてはいないのだが、その価値観を共有するコミュニティの規模をはるかに超える速度で、ブロゴスフィアは広がりつつある。

     http://japan.cnet.com/blog/sasaki/2007/11/25/entry_25002161/

 他日のブログ記事も含め、全文の確認をお薦めしておきたい。次回も「この話を少し続ける予定」とあるから完結したテーマではないが、当ブログの三年目以降をどのようにしていくかのヒントになることは間違いのない記事であろうとおもう。
 最後に断り書きをいれておくが、商用サイトにある記事のリンクはいちいち了解の連絡はしていないし、プロの執筆者の方には名もない当ブログではあるが多少の宣伝にはなろうととのおもいもあって勝手に紹介している。そのため、個人ブログの記事を紹介したいとおもうことはあっても、ぐっと我慢して触れずにいることを書いておきたい。ブログでコミュニティが成立するとすれば、それは必要なことではあろうが片隅でひっそりと生きることもまた理想としているものである。




2007年11月25日 (日)

流浪映画日記 28 ひとひらの雪(東映1985年) その3

 「ひとひらの雪」に見る映像化とは  (東映1985年)その

 原作者渡辺淳一はシナリオ第一稿を読んで、表現の仕方が悪いこととポルノチックを安直に出していることから映画化をキャンセルすると言ったという。そして、

 ◎原作の意図のひとつである上質のエロチシズムの表現に対するアプローチが全く感じられなかったですネ。

 上質のエロチシズムというのがよく分らないが、自身の書く小説においての性愛描写は上質であるとの趣旨であろうか。シナリオとしての描写と、小説としての描写との違いをどこまで考察しての発言なのか、やや意味不明を感じている。小説にはあるヨーロッパ旅行がカットされたことも、象徴としての風景やことばのニュアンスもカットされて、大人が耐え得るエロチシズムという点において原作とは全く異質になったとまで語っていることが引用されている。どうもこの談話だけを見ていると、決められた予算の中で原作のエッセンスを詰め込む作業と、小説家の映画に対するずれを感じてしまう。映画と小説の違い、製作費の問題等は考慮されず、映画化への無いものねだりをしているという感じが拭えないのである。さらに原作者の発言は続く。

 ◎ (略) 「ま、映画の出来、というのはシナリオだけではないしね。役者さん、中でも津川さんの経験豊富なオトナの演技、カメラワークや監督の演技指導にまかせるしかない、と思っていますけど。しかるべき世代が監督やシナリオ作家、ならねえとスタッフの"若さ"にさえ危惧を抱いている様子だ。

 と、記事の書き手のおもいまで引用、記している。そして、新井晴彦はサンデー毎日が発売になる前に原作者と会っていることをここで初めて明かし、原作者からの指摘の内容とライターとしての心根を書いている。

 ◎ (略) 「とにかく、いろいろ納得できないけれど、どうしても、譲れないのは、ラストシーンです。伊織がかおりを抱くのは節度が無さ過ぎます。まして、生理中の女を抱くなんて。あのままだったら、原作を渡せません。百万読者を裏切れませんから
 クランクインしてからのクレームだった。俺と根岸は、あれは生理じゃないんです、破瓜の血なんですけどと言い訳する気も喪くなった。
 根岸はオリなかった。俺もオリなかったけど、いいホン直しもできなかった。
 「無力の王」っていう映画のタイトルがあったなあと俺は思った。シナリオ・ライターはさしずめ無力の家来だなあと。
 王様、ごめん。


 おそらくは完成映画とは違う稿を、荒井晴彦の意地でシナリオ誌に掲載したものであろう。このおかげで、原作者のおもいと映画作家のおもいの違いを知ることが出来ている。映画本編を東映封切館で見た時シナリオとの違いに、これはこれで一定の成果は出ているとおもったのは、映画主題歌による効果が大きいと正直に書いておきたい。ただ、原作者渡辺淳一が映像と小説の違いを、どこまで認識しての発言であったのかを思ったのみである。

 ではライター荒井晴彦と監督根岸吉太郎はどのような意図があって、かおりを伊織が抱くシーンを追加構成したのだろうか。これを、シナリオ誌冒頭の監督、脚本の二人と、映画評論家による司会の『豊潤なるエロチシズムへの試み』によって知ることにしよう。

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2007年11月24日 (土)

流浪映画日記 27 ひとひらの雪(東映1985年) その2

 「ひとひらの雪」に見る映像化とは  (東映1985年)その

 シナリオ誌に掲載されているシナリオは、伊織が霞の義理の娘かおりと性的関係を結ぶ場面の後に、桜のはなびらが舞い込んで来る終り方になっている。

 かおり  「……熱いな……なんだか……」
  伊織、窓を開ける。
 かおり  「……わ……いい風……気持ちいい」
  伊織、窓の外を見ている。
 伊織   「……」
  自嘲めいた笑みが浮かんでくる。
 かおり  「おじさま」
  伊織、振り向く。
 かおり  「……もう一度、愛して……」
  上半身を起こしたかおりが伊織を見つめている。
 伊織   「……」
  窓からひとひらの桜の花びらが舞い込んできた。


 この前段には、かおりが伊織に抱いてくれと言うことに始まり、伊織のモノが固くならないことからかおりの処女喪失にいたるまでが書かれている。この場面に限らないのだが、映倫からシナリオ内審の希望事項が出されたことを、荒井晴彦の「ひとひらの雪創作ノート」にて知ることが出来る。

 ◎シーン#95(演出注意)
   P59 中中段22行目より、P60 中段21行目迄、大幅に簡潔にして下さい。
   同シーンの台詞中、
   伊織 「……固くならないんだよ……」
   かおり「どうしたら固くなるの」
   は他の台詞に変えて下さい。
   又、
   かおり「……きつい……」
   は止めてください。
 尚、一般映画ですので、性愛描写は出来るだけ簡潔にし、行為中のエフェクトは出来るだけ押えてください。
 又、果てる描写は要注意。描写は出来るだけ上半身に押え着衣であっても、体位が分るのは駄目です。


 PCによる○の中にSの字が表示できないので、シーン#と表示した以外は原文のとおりである。これ以外のシーンについても映倫の「ダメだし」が書かれているが、ラストシーンについては原作者の反感が強いことからあえて転記したものであり、これに羞恥を覚えることもあろうが、読んでいただかないと話しが前に進めない。荒井晴彦は、注文が一般映画としての製作であること、上映館が成人映画もR指定も嫌がること、そして映倫の審査員が一般映画であることを理由に希望事項として指摘していることを承知している旨を綴っている。そして、

 ◎コヤばかりじゃない、こんなのただのポルノじゃないと、女優さんには軒並みお断りされる。俺、断った女優とマネージャーを忘れない。

 とまで書き進めている。荒井晴彦がどのようなライターであるかの理解がなければ、多少分かりにくさはあろうとおもうが、紹介を書いていると大長編になってしまうので、ここでは割愛しておきたい。で、創作ノートは更にサンデー毎日の記事『主演・秋吉久美子の「思わず赤面」という「ひとひらの雪」のあの部分』から、原作者渡辺淳一の談話を引用し紹介している。

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2007年11月23日 (金)

流浪映画日記 26 ひとひらの雪(東映1985年) その1

 「ひとひらの雪」に見る映像化とは  (東映1985年)その

 本作の主題歌が開かれた窓から桜の花びらが舞い込んでくる映像に流れるラストシーン、詞も曲も歌唱も絶妙な出来上がりであり、特に作詞「阿木燿子」の詩的感覚には驚かされること多しと思っている。著作権処理の関係から全歌詞を書くわけにはいかないので、特に好みのフレーズのみ記しておく。

 ◎ひとひらの雪 作詩:阿木燿子 作曲:佐藤隆

  可哀相だわ 一緒に泣かせて
  密やかに散る ひとひらの恋ね

   (略)

  女も愛の巡礼ね
  祭壇の前に額づいて
  一人を守ると誓ったあとに
  ベールを脱ぎ去り体を開く

  過ぎ去る月日は恋ゆえ早い
  切ない吐息に急されて
  移ろう女の それだけが愛

   (略)

  掬い上げたら 幻のように
  消えてしまうの ひとひらの雪ね

 映画の音楽は「本多俊之」であるから、知らないと言う方は本作の二年後に伊丹十三映画「マルサの女」(1987年)のリズミカルなテーマ曲を聞いたことがあるかも知れない、主題歌の曲を担当したわけではない。この作品に惹かれるのは、主題歌を含む音楽の使われ方、使い方にその理由があるとおもう。が、音楽については門外漢でもあり論ずるには適任ではないので、原作とその映像化について考えることにしよう。そして、出演者とスタッフの主要な顔ぶれを書いておいたほうが分かりやすいかもとおもうので、記しておこう。

 津川雅彦     伊織祥一郎
 秋吉久美子    高村霞
 沖直美      相沢笙子
 岩本千春     高村かおり   
 池部良      高村章太郎
 木内みどり    伊織扶佐子

 原作       渡辺淳一
 脚本       荒井晴彦
 撮影       川上皓市
 音楽       本多俊之
 美術       今保太郎
 照明       梅谷茂
 監督       根岸吉太郎


 ■霞との愛も、笙子との愛も、妻との愛も、
   振り返ればひとひらの雪ほどの確かさもない。


 ■愛とはひとひらの雪ほどの確かさもないが、
   人はそれを求め続けずにはいられない…。


 本作のシナリオは雑誌「シナリオ 1985年10月号」に掲載され、「キネマ旬報1985年9月下旬号」にて特集が組まれている。この二つの雑誌から知りえる映像化についての意図をおさらいしておこうというのが本稿の趣旨である。したがって転記が多くなろうが、脚色化について関心がある方には参考になるかもしれないし、小説と映画、特に原作者よりは若い映画製作者たちの映像についてのおもいを知ることが出来るとおもう。

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2007年11月22日 (木)

流浪日記 535 ネットでチラシを見る

    ネットでチラシを見る   22/11/'07

 新聞の折込チラシが見れるサイトは幾つかあるが、株式会社リクルート(RECRUIT CO.,LTD)が専用サイトを21日にオープンしている。覗いてみたが地域のチラシ情報とはとても言いがたく、店舗側が情報掲載料として支払う額が1地区あたり7000円(3日間)からというから、少し広域に掲載、即ち地区をまたがった掲載を望むと高くつくようである。食品等を扱うスーパーマーケットのチラシが、覗いた地区には一切掲載されていないから、主婦層等の安定した訪問者獲得には程遠いオープンとおもわざるを得ない。この状態でオープンを急ぐ必要があったのかはなはだ疑問ではあるが、訪問者獲得のための「冬のあったかキャンペーン」を展開することではあるし、すべてはこれからのリクルートの強い営業力次第ということであろう。リクルートのリリース情報には掲載がないので、サイトからお知らせを掲げておく。

 ◎タウンマーケット、本日開店です!
    Town Marketからのお知らせ  2007.11.21
  ■ネットで広告・チラシが見られる生活応援サイト、「タウンマーケット」が本日オープンいたしました。
 これまではお店に取りに行ったり、おうちのポストに入ってくるのを待っていた広告・チラシがこれからはいつでもインターネットでさくさく見られます。
 おうちの近くのいつものあのお店も、お勤め先のあのスーパーも、休日にお出かけするデパートや電器屋さんも、みんなまとめてチェックできます。

     http://townmarket.jp/MP/INFO/07112101.html

 メディアの扱いは少なく、僅かに日経が記事化しているものがあるので見てみよう。

 ◎ネット上でチラシ検索、リクルートが専用サイト
     日経NIKKEI NET 11/21 日本経済新聞
  ■リクルートはインターネット上でスーパーなどの折り込みチラシが検索・閲覧できる電子チラシ事業に参入する。21日に専用サイトを開設、首都圏を中心に全国約1400地区のチラシ情報を提供する。同サービスは凸版印刷や大日本印刷などが先行しているが、リクルートは地域密着型の無料誌事業で培った営業力やマーケティング力を武器に追撃する。 
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20071121AT1D2005B20112007.html

 記事全文の確認をお願いしておとくとして、記事中にある他社のサイトとは、

 ◎くらしとちらしShufoo!
     凸版印刷株式会社 電子チラシ
    http://www.shufoo.net/

 ◎オリコミーオ!
     大日本印刷株式会社 地域インターネット広告媒体
    http://www.dnp-orikomio.com/CGI/pilot/top.cgi

 の、ことである。少々古い記事だが夕刊フジの記事が凸版と大日印刷のチラシサイト競争を記事化しているので読んでみよう。

 ◎「電子チラシ」で大日本vs凸版印刷 「夕刊フジ」2006.11.02紙面掲載
    産経新聞社、株式会社ファンコミュニケーションズ
  ■印刷業界の両雄、大日本印刷と凸版印刷の2社が「電子チラシ」をめぐって熱い戦いを繰り広げている。ネットインフラの普及で紙の需要そのものが減少していく中、電子チラシは印刷業界のビジネスにどこまで貢献するのだろうか?
    http://www.yukan-fuji.com/archives/2006/11/post_7623.html

 このように、印刷会社が先行するチラシ閲覧サイト界に参入したリクルートの手腕が如何なものか注目していたいとおもっている。




2007年11月21日 (水)

流浪日記 534 液晶ディスプレイ一体型PC

  液晶ディスプレイ一体型PC  21/11/'07

 デル株式会社の新商品発表会が19日、東京都渋谷区のルシェルブラン表参道で開催された。日本メーカーのホテルを使ったこの種の発表会とは違う、結婚式場がメインの会場であるから当日式予約は入っていなかったのかと余計な心配をしてしまうが、デルの経営陣の出席も賑やかで、代表取締役社長、米Dellのコンシューマ・プロダクト・グループ上級副社長、日本/アジア太平洋地域コンシューマセールス&マーケティング統括責任者らが会場にて今回発売になる「XPS One」への期待を語っている。これまでデルのことは、ネット上で見かける苦情の嵐、大半は初期不良の対応と不具合時の対応下手に対する不満なのだが、同社によるアフターサービス機能の拡充をさせるという発表を日記で取上げたことはあるが、個々の新製品発表のことを取上げるのは初めてである。まずはデル株式会社の企業概要を掴んでおこう。

 ◎デル株式会社 会社概要
  ■デル株式会社は、米国テキサス州に本社をおく、世界市場シェア第1位のコンピュータシステムメーカー、Dell Inc.の日本法人です。デル独自のビジネスモデルである「デル・ダイレクト・モデル」に基づいたメーカー直販方式で、日本では1993年1月から販売・マーケティング・サポート業務を開始しました。以来、法人市場を中心に急成長を続け、デル全社において、現在、米国、UKに次いで3番目に大きいビジネス規模を誇っています。また、近年は個人市場での本格展開も開始し、急速にプレゼンスを拡大しています。
http://www1.jp.dell.com/content/topics/segtopic.aspx/dellkk/outline?c=jp&l=ja&s=corp

 ◎日本でのビジネス概況
  ■1993年1月の販売業務開始以来、デルは毎年、業界全体を大きく上回る成長率を達成しています。市場調査会社によると、2005年は、国内PC市場全体が対前年比で出荷台数9.1%増となる中、デルは対前年比19.6%増とトップ5ベンダー中最も高い成長を達成し、シェア第3位となっています。
 現在、デルの売上の8割を大・中小規模の法人のお客様、2割をSOHOおよびコンシューマーのお客様への販売が占めています。
 ※なお、デル株式会社は財務諸表を一切公表しておりません。ご了承ください。
 
http://www1.jp.dell.com/content/topics/segtopic.aspx/dellkk/injapan?c=jp&l=ja&s=corp

 一部を記録しておくが、関心があればサイトの企業案内を熟読されたい。なお但し書きのように財務関連の公開はなく、投資家向けIR情報は本国サイトのものしか見ることは出来ない。日本市場占有率などは社団法人電子情報技術産業協会やIDCジャパンなどの調査会社の発表する数値データを見ることでそれに変えるしかないようである。
 それでは今回のデルのリリースから見ていこう。

 ◎デル、機能性の高さと美しさを追求したオールインワンPC「XPS One」を新発売
    デル株式会社 プレスリリース 11月19日
  ■「XPS One TM 」は、オールインワンPCのあり方を徹底的に追求し、洗練された美しいプロダクトデザインを具現化しました。20インチワイド狭額ベゼルの強化ガラスディスプレイが、アルミニウムとガラスでできたスタンドの上に浮かび上がっているように見えます。スクリーンの両側にはステレオスピーカーが搭載され、ビデオチャットやインスタントメッセージの送受信に適したウェブカメラとデュアル・アレイ・マイクロフォンも内蔵されています。
また、8メディア対応のカードリーダーと複数のポートは、扱いやすいようにディスプレイの横側に搭載され、背面に搭載されたポートから接続されるケーブル類はすっきりまとまるようにデザイン上の工夫が施されています。
 さらにユニークな特長として、ディスプレイに手を近づけると、メディアキーやドライブスロットがブルーに点灯したり、ボタン操作を振動でユーザに知らせる感知機能を備えています。また、本体に接続されるケーブル類は1本の電源コードのみとなっており、マウス/キーボードを含め、大半のものとワイヤレスで接続されます。内蔵されたWi-Fiによりネットワークに、Bluetooth2.0によりヘッドフォンやプリンタといった周辺機器に接続します。

http://www1.jp.dell.com/content/topics/segtopic.aspx/pressoffice/2007/071119?c=jp&l=ja&s=corp

 煩雑になるが会社概要もリリースも、要点を記載されているところを可能な限り転記記録しておいた。で、メディアの反応はどのようになっているだろう。多数のIT関連ニュースサイトは勿論一般紙も記事化して扱っているが、FujiSankei Business i.の記事から気になるポイントを残しておきたい。

 ◎パソコン外資系、家庭向け攻勢…デルはエンタメ、HP「和風」
     FujiSankei Business i.  2007/11/20
  ■デルやHPは年間4000万台程度を世界で販売しているのに対し、国内首位のNECは2006年に国内で約270万台、世界市場ではビジネス向けに数十万台程度にとどまる。調達力で圧倒的な差があり、価格では勝負にならない。このため日立製作所が家庭向けパソコンから今夏に撤退している。
 価格に加え、デザインやエンターテインメント性など日本メーカーが得意とする分野も海外勢が強化し始めたことで、日本メーカーは今後、さらに厳しい戦いを強いられそうだ。

     http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200711200009a.nwc

 そして日経BP社nikkei TRENDYnetにある発表会での発言、代表取締役社長とコンシューマ・プロダクト・グループ上級副社長のものを記録しておきたい。

 ◎日本のニーズから生まれた美しい製品――デルが一体型デスクトップ「XPS One」を発表
    日経BP社 nikkei TRENDYnet 11/21(水)07:56
  ■PS Oneは、長年、我々が日本のユーザーに約束していたものであり、デルが日本に進出してきて15年を集約した製品である。日本のマーケットに合った美しさと高い性能を兼ね備えている。
  ■日本のマーケットは、ノートブックやモバイルの分野で先進的。オールインワンPC(一体型デスクトップ)でも、それは同じだ。日本は、パソコンのデザインでも使用法でもトレンドの火付け役。XPS Oneは日本市場からヒントを得た製品と言える。現に、設計は、日本市場がスタートだった。
    http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20071119/1004635/

 先がデル株式会社代表取締役社長のジム・メリット氏、後が米デルのコンシューマ・プロダクト・グループ上級副社長のアレックス・グルーゼン氏のものである。いずれの記事も全文の確認をお願いしたい。
 時間がなくなってきたので簡潔に記すが、日本の消費者の要求はきつい。このようなコンセプトの商品をテレビを買う感覚で購入するものがいるだけに、操作方法から不良品対応まで日本家電メーカーが築き上げたアフターサービス対応を要求されることが多くなることが目に見えている。テレビ録画機能まで搭載した商品化を考えているならなおさらだし、日本メーカーによるこのような商品をすでに何度か見ているが、現在まで続いていないことの理由があるはずだ。デルに対する評判で、周りのものからいいものを聞かないのはひとえにこれらの対応にかかっている。PCと家電は対応が違うということの理解を得ることが、通信販売が主力であるだけに願っていると締め括っておこう。




2007年11月20日 (火)

流浪日記 533 就職フェアと新社会人転職事情

  就職フェアと新社会人転職事情  20/11/'07

 大阪城ホールでエン・ジャパン株式会社(en-japan inc.)が就活フェア『「プロの仕事研究」カンファレンス』を19日に開催、たいそう賑わったようで朝刊各紙で記事化されている。2009年3月卒業予定の学生向けであるから、大学3年ともなると勉強もそこそこに活動を開始しなければ、「よりよい企業」への就職が出来ないということだろう。自らの適性に合う企業などありよう筈がなく、一部上場企業や有名非上場企業への参入をめざし自らを売り込む熾烈な人間営業競争が展開される様に複雑なおもいがしてならない。それは学生の就職活動がビジネスと化す、日本の大学教育とは一体何かという根源的な思いへも通ずるものなのだ。人の集まるところビジネスチャンスは必ずある、という組織化された就職支援企業のありようもまた、大学が単なる働くための一時的な拠所でしかすぎないことを現している。大学全入時代に就職支援を疎かにしては生き残れない教育機関と就職支援会社の蜜月はこれからも続いていくし、リストラなどでの余剰人員対策としての雇用の流動化は就職後の転職支援企業のありようともなって、働くということの意識変化を迫ってくるのである。

 ◎エン・ジャパン 大好評の就活フェアを大阪城ホールでも開催!
    エン・ジャパン株式会社 ニュースリリース 11月16日
  ■当日は、朝日新聞社やNTTドコモなど大手企業をはじめとした123社が出展し、約1万人の学生の来場を見込んでいます。今後、11月30日(金)に名古屋国際会議場、2008年2月25日(月)にウェルシティ札幌、2月29日(金)に福岡国際会議場など、各地で続々と開催いたします。
     http://corp.en-japan.com/newsrelease/detail.php?id=364

 ◎就職フェアに1万人「企業の4割、昨年より説明会早め」
    朝日asahi.com 11月19日
  ■就職環境は好景気と団塊の世代退職後を見込んだ大量採用に支えられ、改善している。「リクルート」傘下の研究機関の調査では、08年春入社の企業の求人数はバブル期を上回り、大学生と大学院生対象の求人倍率は2.14倍で16年ぶりに2倍を超えた。
  ■企業もPR時期を早めている。エン・ジャパンによると、企業の4割が今年、企業説明会の開始時期を昨年より早めた。多くが年明けだった実施時期を11、12月に前倒ししている。内々定は来年4月下旬から5月、内定は秋という日程だ。
     http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200711190103.html

 もしも就職活動中の若い人が当日記を何かの機会に知って読まれたら、そのときには朝日の記事は読めないだろう。読めるうちに全文を確認しとがいい。そこには、

  ■早まる就職活動に警鐘を鳴らす声もある。関西大の吉原健二・キャリアセンター事務部長は「早く準備すれば良いというものではない。自分の関心や興味を持てる業界はどこかや、企業理念に共感できる会社を、見極めることこそが大切だ」と呼びかける。

 と、記事が結ばれていることを知るだろう。先人の知恵に耳を傾けることが出来ず、或いは不幸にして勝抜いた就職先が自己の適性と合わないという幻に出会ったとき、ソフトバンク・ヒューマンキャピタル株式会社が2007年4月入社の新社会人の転職意識調査結果をリリースしているから読まれるとよい。同社のサイト、リリース情報頁にはまだ記載されていないから日経リリース情報頁を掲げておく。

 ◎ソフトバンク・ヒューマンキャピタル、「新社会人の転職事情調査」結果を発表  
   〜新社会人(2007年4月入社)の転職事情調査〜
   既に転職活動を始めている新社会人は5人に1人 16.9%
   転職を考えたことのある新社会人は62.0%
   現在の仕事の不満は「年収(50.3%)」と「やりがい(32.8%)」
 
  ■興味のあるインターネットの仕事 1位はポータルサイトの企画・運営
  ■インターネット業界で働いてみたい人は78.8%
    理由は「自分のやりたい仕事だから(44.1%)」、
    「若い社員が多そうだから(28.4%)」

      http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=175413&lindID=5

 ネット業界で働きたい、サイトの企画・運営をしたい、と考えることに誤りはない。誤りがあるとすれば、それは自己の適性と仕事の間にある幻ではないか。どんな仕事にもやりがいはある。やりがいがないとおもうのは・・・。止めておこう、説教するつもりはない。自分の人生だ、考え方、生き方はそれぞれのものだ。言えることは、新社会人の転職意識を知ることが就職活動の参考になる、という確信があるということである。




2007年11月19日 (月)

流浪日記 532 地デジ用20素子UHFアンテナ

  地デジ用20素子UHFアンテナ 19/11/'07

 マスプロ電工株式会社が11月15日から発売した地デジアンテナを記録しておこう。20素子のUHFアンテナだが、弱電界地域で安定した受信を望むならこの程度の素子数は必要である。地デジはその特質から、車用地デジチューナーでの受信を体感しているなら、ゴーストのない地デジ特有の画質をフィルムアンテナによる受信で可能なことを知っているだろう。移動体でも強電界や中電界であればフィルムアンテナで十分賄える地デジ放送受信であるから、ホーム用アンテナがコンバクトになった簡易型のアンテナでも、或いは室内アンテナでもここ大阪では生駒山方向が見渡せるなら十分可能である。もっともケーブルテレビの普及で、独自にアンテナを立てている家も少なくなったものだ。

 そのような地デジ放送受信ではあるが、ビルなどの共聴設備、市役所などの待合室に設置されている端末のテレビが、ノイズでざらざらした画面で受信しているのはいただけないものだ。薄型テレビの価値が半減している様子に心が痛む。レベル不足の最たるものでもう少しなんとかならないかと、大画面であるがゆえに調整不足を感じてしまっているのだ。そういう状態がホームテレビで起こさせないためにも、今回発売になった20素子UHFアンテナが必要なのかも知れない。リリースの説明からまとめておく。

 ◎マスプロ電工、家庭用の高性能型UHFアンテナ「U20TMH」を発売
  ■地上ディジタル放送は,UHF(ch.13〜62)の帯域が使われていますが,全国の放送局の約7割がUHFの比較的低い帯域(ch.13〜36)を使用して放送しています。またアンテナの設計上,受信帯域が狭いほど高性能なものが作りやすい,という現状があります。これらに着目し2004年,受信チャンネルをch.13〜36に限定した,高性能型のUHFアンテナU14TMHを発売しました。そして今回,U14TMHより高利得で20素子のU20TMHを開発しました。好評発売中のLS14TMH,LS20TMH,LS30TMHと合わせ,TMHシリーズは全5機種となり,地上ディジタルの中・弱電界地域用アンテナとしてのラインアップが強化されました。マスプロはこれらを積極的に販売促進し,地上ディジタル受信の普及拡大を図っていきます。
     http://www.maspro.co.jp/new_prod/u20tmh/u20tmh.html

 マスプロに限らず、アンテナメーカーからはさまざまな高性能型UHFアンテナが発売になっているから、地上デジタル放送受信機を年末商戦に合わせて一口乗ろうかと考えている方々は是非アンテナにこだわって欲しい。思い切ってアナログ共存は考えず、デジタル専門にすることだ。その方がはるかにテレビライフが楽しめるものだが、薄型テレビにかける金額の何パーセントかをアンテナ設備に廻すことに抵抗があるのは、アナログテレビとの共存が必要な今の状態が解消になる2011年まではいた仕方のないことなのだろうか。そんなおもいかしながら、リリースを眺めていたものである。




2007年11月18日 (日)

流浪映画日記 25 橋のない川 その3 (終)

   橋のない川   (ほるぷ映画1969年)その

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  ここからのシナリオに書かれていることに対し、怒りで胸が震えてならない。これは映画であり芝居であろうが、ここに書かれたことは日常茶飯事のことではなかったかと、怒りと共に涙するのである。長くなるが、ここは大事なとこなのでシナリオ原文のとおり一切の編集をせず、言葉の区切りもそのままに書き出しておく。ぬいの差別を訴える姿勢が、完成映画とは明らかに違う場面である。






 34 同職員室
    職員室には、校長と青島、柏木の三人の先生がいた。
    青島先生は廊下の気配に席を立って扉の方へ歩いた。
    その時、ぬいが血相かえて入って来た。
    ぬいは、そのまま正面の校長の前へ突進した。
  ぬい  「校長はん、わいは小森の畑中だすね。
        うちの孫が、どないな悪さしましたんや、聞かしとくなはれ」
    ぬいの目は血走っていた。校長は事態を察し、
  校長  「ちょっとお待ちください―青島先生、畑中君のおばあちゃんらしいが、
        事情を説明してあげて下さらんか――」 
    青島先生は事態の急変に緊張して、ぬいのそばへ来た。
  青島  「僕が受けもちの青島ですが」
  ぬい  「誠太郎のことをきかしとくなはれ」
  青島  「誠太郎君はですね。同級生と喧嘩をして、相手に怪我をさせたんです」
  ぬい  「―――」
  青島  「ところが、どうしても、その喧嘩の原因、
        つまり相手に怪我をさせた理由を喋らんのです」
  ぬい  「そいでバケツを持たせはったんだっか」
  青島  「なかなか強情なものですから――」
  ぬい  「ほなら、わいが、その訳、いいますよってきいとくなはれ」
  青島  「どうぞ」
  ぬい  「それはなァ、相手の子が、誠太郎を――
        エッタエッタ言うて阿呆にしましたからや」
  青島  「それだけですか――」
  ぬい  「それだけ?――」
    ぬいは青島先生の顔を喰い入るように見つめた。
    そのぬいの顔は、次第に怒りとも、悲しみともつかぬ無残な表情に変わった。
    初めの強気は影を消した。
    ぬいは、ついに、己の感情に負け、涙をぽろぽろと流した。
    青島先生はぬいの変わりように呆然とした。
    柏木先生は、ぬいの方を見ないようにしていたが、全身の神経をぬいに向けていた。
    ぬいは弱弱しい涙声で青島先生に言った。
  ぬい  「先生さん。わいら世間から、エッタエッタ言うて阿呆にされてまんが、
        自分の口で、エッタとは、よう言いまへん。
        誠太郎が、喧嘩の訳を喋らんのは、それだす。
        こんなわしらの気持ちは先生さんには、判りまへんやろが……」
    ぬいは人がかわったように弱弱しく泣いた。
     と思うと、急に顔を上げて校長に向かった。
  ぬい  「校長先生、教えとくなはれ、エッタてなんだすね」
    校長はおたおたした。
  ぬい  「校長先生はものを教えはるえらいお人や。
        なんでも知ったはりまっしゃろが。
        エッタ言うの、なんだすね――」
    校長は困惑した。
  ぬい  「わいら生れてからこの方、世間の人からエッタエッタ言われて、
        人間あつかいされんときましたんや。
        せやけどな、わしらかて人間や。手も二本、足も二本ありますがな
        指かて、見ておくなはれ。これこの通り五本ずつありますがな。
        どこかて、人間と変わりまへんのや。
        せやけど、世間の人はわいらをエッタエッタ言うて、
        けだものみたいに言いますのや。
        なァ先生さん、教えとくなはれ、先生さん!」
  校長  「困りましたなァ」
  ぬい  「教えとくなはれ教えとくなはれ」
    柏木先生は涙をふいた。
  校長  「まァ、私の知るところでは、
        徳川時代はさておくとしまして、明治四年のエタ、
        非人の解放令以来日本にエタはいないと承知しておりますが――」
  ぬい  「ほなら、日本には、エタはいない言うのだっかいな」
  校長  「左様、すくなくとも法律上、そのような身分はありませんな」
  ぬい  「法律にのうても、人さまの腹の中にはありまんのやろな」
  校長  「それはなんとも――」
  ぬい  「先生さん。わいら学問もないさかい、むつかしいことは判りまへんが、
        どうぞ罪もない子供だけはいじめぬというとくなはれ。
        エッタなどと馬鹿にせんように言うとくなはれ」
  校長  「それはわれわれ教育者としても――」
  ぬい  「どうぞ、子供らにエッタ言うことを教えんように――
        この通りでございます。この通り――」
    ぬいは校長に両手を合わせた。
    校長は慌てて両手を振り、
  校長  「いや、そんな、そのようなことを―」
    校長は慌ててぬいの懇願を打ちはらった。


 このようにぬいの人物造型が弱々しく受け取れるものになっていて、差別に対する抗議も教師に対する哀願のようになっている。当時の、学問のない部落の老婆が学校の教師、しかも校長に対し一人で訴えるということがありうるのかと言う疑問はあるものの、映画的にはシナリオのようではいかにも被差別者としての声として弱いとおもう。差別側の情に訴えるしかない、ということが当時のおかれた状況を物語っていようとも、映画的には孫への不当な扱いに抗議するぬいであって欲しいし、そのように描かなければ差別から自立するためのテーマを抱える映画として見るものに感動を与えない。このようなおもいは、運動団体とも当然話し合ったこととおもう。今井正監督は、完成映画ではぬいを差別に対し決然と抗議する姿として演出、シーン#33に続くぬいの職員室の校長へと歩みを進めながらの、一連の台詞を採録しておこう。ぬいのみなので空行をシナリオから相手方の台詞として補完しながら読んで欲しい。

 ■校長先生、わいは小森の畑中だすねん。
  うちの孫がどないな悪さをしましたんや、聞かしとくなはれ。

  うちの孫のこと、聞かしとくなはれ。

  ほんでバケツを持たしはったんだっか。

  ほなわいがその訳いいますよって、聞いとくんなはれ、
  それはなァ、
  相手の子が誠太郎のこと、エッタエッタというて阿呆にしましたからや。
  
  それだけ――
  先生はん、
  わいら世間からエッタエッタ言うて阿呆にされてまんが、
  わが口でエッタとはよう言いまへん。
  誠太郎が喧嘩の訳を喋らんのはそれだす。
  そんなわいらのむごい気持ち先生らには判りまへんやろな。 
  校長先生、教えとくなはれ
  校長先生はものを教えなはる偉いお人や、
  エッタ言うのはなんですねん。
  わいら生れてこの方、世間の人からエッタエッタ言われて、
  人間あつかいされんときましたんや。
  しゃけどわいらかて人間や、
  手も二本、足も二本ありますがな、指かて見とくんなはれ。
  しゃけど、世間の人はわいらのことをエッタエッタ言うて、
  けだもんみたいにいいますねや。
  なんべん直そうとおもうても自分ではエッタは直せまへん。
  校長先生、どないしたらエッタが直せるか教えとくなはれ。

  教えとくなはれ、教えとくなはれ。

  ほなら日本にはエッタはおらん、いわはるんだっかいな。
  
  先生はそないいわはるけど、人さまの腹の中にはありまんのやろな。

  先生はん、わいら学問がないさかい難しいことはよう判らしまへんけども
  どうぞ罪もない子供らだけは、二度とこないにいじめといんてくんなはれ。

  子供らにはあんじょう教えといてくんなはれ。
  校長先生、約束してくれはりまんな
  約束して…… 約束して…… (嗚咽)

  
 採録のために何度聞きなおしても悔しいおもいでいっぱいである。北林谷栄の演技力にて、万感胸に迫るものがあるが、シナリオとの違いは当然完成本編の方がよい。いわれのない差別語を投げかけられても、我慢しなければならないのか。いやそうではない。そうであってはならない。部落全体に受ける差別事象は勿論ではあるが、子供たちに向けられる差別意識を許してはならない。そのために社会意識の改革が必要であったことを痛切に感じるものである。映画はこれからが佳境へと入っていくのだが、それはまた次の機会に書きたいとおもっている。 (未完)

 第1部の「終」の前の字幕画面をあえて掲載しておく。シナリオではナレーションで表現するように書かれているが、それは第2部の終りで描かれるものではあるが、カラーで映像化された完成映画とシナリオの違いを知るために、そして映画初見とシナリオを読んで三十八年の歳月のおもい、差別への怒りとしてここに掲載するものである。

 173 堤防の道(夕方) = カラーで =
     小森の人たちは、怒りと悲しみをこらえて小森の方へ歩いていた。
     その時――奈良盆地の夕焼けは火のように燃えていた。
      (ナレーション)
  N 「この日から間もなく各地の未解放部落の人々は
     人間は平等であるという自覚のもとに立ち上がり、
     ながい封建的な差別とその差別からの貧困をうち破るために団結した――」

 174 水平社創立大会・会場(京都)
     会場をうめる三千人の人々の興奮。
     壇上で絶叫する主催者たち。
      (ナレーション)
  N 「そして、遂に全国に六千部落と言われる未開放部落の人々にとって、
     全国水平社が結成され、
     不当に奪い去られていた人間の権利と生活を自らの手で、
     自らの力で奪いかえすための行動綱領がうちたてられたのだった。
     その日は、一九二二年、すなわち、大正十一年三月三日。
     それは日本に於ける輝かしい人権宣言の日でもあった」

       T (第一部 終)



2007年11月17日 (土)

第38回 高原児 (1961年)

   高 原 児  (1961年)

01_21   赤い夕焼けには抒情がある。「夕焼け小焼けの〜」の、赤トンボという歌に幼い頃の思い出が重なるように、夕焼けには郷愁とともに憧れ続けたヒーロー(小林旭)の姿がある。それはヒロイン(浅丘ルリ子)に恋するように、大人になったらこの人のような人とめぐり合うことを夢見たものである。「渡り鳥シリーズ」や「流れ者シリーズ」にない、「さすらい」の旅情こそないものの、目的地には知った女が待っている。おもいを告げるために会いに行く、気持ちに素直なヒーローの心情がこの歳になれば、痛いほど切ないのである。日活ロゴマークと日活株式会社製作と表示後、夕焼け空に黄色字の題名「高原児」のタイトル以下、スタッフと出演者のクレジットへと続いていくのだが、撮影は高村倉太郎であることを知っておきたい。

 クレジットタイトルとエンドシーンの夕焼け空に、赤いというよりオレンジ色と言う方が正確か、この映画のテーマを見る。夕焼け色は恋の色なのである。健次(小林旭)と伸子(浅丘ルリ子)の二人の心に焦点をあてながら、夕焼け色の恋におもいを馳せよう。

 伸子  素晴らしいわ、私も習おうかしら…
 健次  何を? 射撃をかい?
 伸子  ええ…
 健次  君にガンは似合わない。第一…
 伸子  第一、なぁーに…
 健次  肘鉄砲でも喰ったらかなわないからな!
 伸子  えー… (笑)
 健次  つまんないこといっちゃったなァ…

 射撃大会の練習場面での二人の会話からだが、映画冒頭からこんなに明るい二人の楽しそうな話しぶりは、絶唱での悲しさを取り戻しているかのようであった。

 伸子  田舎に帰ろうとおもうんです…
 健次  帰るって、何かあったのかい…
 伸子  田舎のうちがつぶれそうなんです、だから……
 健次  君が帰ったからといって、別に…
 伸子  田舎では義理の姉が子供を抱えて、金策に飛回っているんです、
      それを黙って見ている訳にはいきませんもの……
      私、とっても楽しかったわ、皆さん親切でいい人ばっかりで…
      帰る前に、一言健次さんにお礼が言いたかったの…
 健次  君のクニはどこ?
 伸子  言ってもしょうがありませんわ……
 健次  もうここへは帰って来ないつもりかい?
 伸子  健次さん、もし…… でも……
      さようなら……

 二人ともに、最後の一言が出てこない、出せないもどかしさは、遠い日の在りし日の恋に恋焦がれたおもいの懐かしさである。厚かましさだけを前面に出せる今は、遠く及びもつかない、ひたすら遠い日々の我が青春の日々であったとおもう。それでも映画はまだ終わらない、始まったばかりなのだ。伸子は健次に置手紙を残して去っていったのである。その手紙のアップを画面に映しながら伸子の声で、

  ■言ってはならない事を口走りそうになった 私をお許し下さい。
   もうお会いすることもないでしょう。
    さようなら 伸子


 これでは終われないし、終わってはならない。この作品は活劇の仮面を被りながら、恋の映画なのだから……。抒情溢れる場面が多いこの頃の小林旭主演の活劇映画は、高村倉太郎の撮影による力が大きいという。小林旭は『撮影監督 高村倉太郎』(ワイズ出版2005年刊)、324頁において、

 ◎キャメラの向こうの小さな巨人
   高村倉太郎さんは、キャメラのファインダー越しに俳優・小林旭を見つめ、「マイトガイ」と呼ばれた時代の僕のイメージを作ってくださった恩人です。 (略)
 『渡り鳥』の郷愁や叙情は、そのビジュアルに支えられているところが大きいと思います。波止場や橋の下で黙々とギターを弾く滝伸次の姿が、渡り鳥のロンリーなイメージの原点だとすれば、それは倉さんのキャメラが大きく貢献していると思います。
 (略)

 と、エッセイを寄せている。同様のことを、浅丘ルリ子は別の語り口でおもいを同書314頁に寄せている。

 ◎高村さんの一言
   (略) キャメラマンの高村倉太郎さんは『渡り鳥』シリーズ(昭和三十四年〜三十五年)を初めとして、本数的には四十本くらいになると思います。一番多い方でした。 (略)
 ある頃、ちょっとしたことがありまして、沈んでいるときがありました。苦しい日々でした。そのとき、高村さんから「ルリちゃん、今のままで。そんなことで沈んでいると駄目になっちゃうよ」と、やさしく諭されたことがあります。あとからあとから入ってくる作品に追われ、いろいろなことで滅入っていた私は、高村さんのそのお言葉で目覚めて立ち直れたことを今もはっきり覚えています。もし、あのとき、高村さんのお言葉がなかったら、駄目になってしまったと思います。今の私があるのも、その一言があったからと思い、高村さんには大変失礼とは存じながら、たくさんある思い出の中で最も大切な思い出として胸に秘めております。


 何時のころの話であろうか。勝手に「高原児」の撮影の頃の話にしておこう。その方がこの作品への我が思いの高さをより強調してくれるのだから……。さらに同書には「高原児」の監督である斎藤武市326頁におもいを寄せている。

 ◎倉ちゃん
   倉ちゃんと私とは、共に松竹大船育ち。それぞれの理由で日活に移ってから五年を経過したある日、次回作として「赤いダイス」なる脚本を会社から渡された。小林旭主演作品である。小津門下生である私には苦痛と不満に満ちた内容の脚本である。私たちの初めてのコンビ作品となったこの「赤いダイス」は、二度三度と改題され、封切り時には『南国土佐を後にして』(昭和三十四年)になったわけで、ペギー葉山さんの歌にも助けられて大ヒットになった。

 こうして渡り鳥シリーズとして発展していったわけだが、高村倉太郎との作品数は「二十八本」を数えることになったと記されている。「高原児」はその延長上にある作品であるがゆえに、三人が語るように一級の、抒情を持った小市民的松竹大船映画、いや小津映画に活劇を足した映画として心に残っているわけである。さまざまな場面展開の後、健次と伸子の二人は定石どおり別れなければならず、今度は健次が置手紙を残す番である。同じように手紙のアップを画面に映しながら健次の声で、

 ■本当は吾郎さんの真相を探るつもりだけで来たんじゃない。他にもうひと言だけ…………
  たったひと言だけ言いたいことがあったんだ………… けどやめたよ。
  あんたが弟さんとの約束を終るまでまっているよ。 健次


 追いかける伸子の丘の向こうに、健次はいた。クレイジーのゲン(郷エイ治)と共に馬に乗り工事現場がある地へと帰るためである。

 伸子  健次さぁーん……
 ゲン  罪なことをするぜ、なぜ待ってやらないんだ
 健次  三年たったらまた会える、今会えばつらくなる

 ここからふたりの歌声で「宇目の唄げんか」が流れ、夕焼け空の中を進む主題歌、「赤い幌馬車」とクレジットされている、へと繋がって映画は終わる。片時も待つのが嫌な性分には考えられない長い時間ではあるが、その後二人はどうなったのであろうか。それは我が心の中に、その若さのままに幸せな二人としていつまでも元気で日々を過ごしているのである。





 

2007年11月16日 (金)

流浪日記 531 デジタル社会の仕事と暮らしの実感

  デジタル社会の仕事と暮らしの実感 16/11/'07

 内閣府、経済産業省、厚生労働省の3省庁共同所管の公益法人に、財団法人連合総合生活開発研究所(連合総研)がある。労働組合をたばねる組織のひとつ、日本労働組合総連合会のシンクタンクである。厚生労働省所管公益法人の一覧サイトで目的や補助金の額、即ち税金をどれほど投入しているかを確かめることができる。もっとも平成15年度決算ベースが最新のものになっていること、事業計画書は平成16年度にしかリンクがなく、税金の使い道を確かめるにはあまりにも更新がなされてなく、いかにも役所的仕事ぶりが如実に現われているといえよう。労政担当参事官室が担当課と明記されているが、政府がかかげるIT国家樹立など知ったことかという意識であるなら、何をかいわんやである。連合総研のサイトでは平成19年度事業計画を読むことができるので、役所の仕事振りとはこんなものということを感じられるとよい。税金を払うのが嫌になること請け合いである。

 もっとも連合総研の役員報酬・退職慰労金規程を見ると、2007年9月の時点における報酬額の上限を1,632万円と記されているから、たいした労働貴族ぶりとおもわざるをえない。わずかな労働賃金から組合費と税金を払い、これらの人々に報酬を支払っていることをどのように解釈すればいいのだろうか。役人も公益法人の役員も、生活感覚からは程遠い存在であることを今更嘆いても仕方ないか。『勤労者とその家族の生活の総合的向上、我が国経済の健全な発展及び雇用の安定に寄与する』という目的を達成するひとつとして、『勤労者の仕事と暮らしについてのアンケート』を実施公表しているが、他の機関が調査するものとどのように違うのか、今ひとつ理解できていない。平成13年6月を第1回として、平成19年11月13日公表のものが第14回である。一部のメディアが短く記事化していることに、余計にマスコミからも注目されていない調査であることを知るが、それでもこの時世の働く人々の意識が分かる面白いものであり記録しておこうとおもう。

 ◎(財)連合総合生活開発研究所 厚生労働省所管公益法人の紹介ページ
   http://www.mhlw.go.jp/cgi-bin/hojin/view.cgi?id=tourou03

 ◎財団法人連合総合生活開発研究所(連合総研) ホームページ
   http://www.rengo-soken.or.jp/

 ◎「第14回勤労者の仕事と暮らしについてのアンケート」調査結果<速報> PDF
   http://www.rengo-soken.or.jp/houkoku/kinroukurashi/enquete/No.14/no14sokuho.pdf

 ◎仕事や職場でのストレス、「去年より増」が48.3%――連合総研調べ   
    日経NIKKEI NET BIZ PLUS 11月16日/日経産業新聞
   http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/top/index.cfm?i=2007111508685b1

  ■ [残業手当が実際に支給された割合―なくならない賃金不払い残業―]
    (問36 付問3、問37)
    残業手当の支給対象者に対して残業手当が
    実際に支給された割合をたずねたところ、  
    「すべて(10 割支給)」が49.9%と最も多い(図表20)が、
    賃金不払い残業のある雇用者の比率
    (以下「不払い残業のある雇用者比率」という。)は
    36.9%を占めており、2004 年10 月調査以降概ね4割程度の水準で推移している。

     ※調査結果 12頁冒頭より

 と、もっとも労働組合の連合組織らしいものを特に残しておく。企業の意識が派遣、請負、パートなど雇用形態の変化によって国際競争に勝抜くための生残り戦略であるなら、いずれ経済全体からの報復を受けるであろう。コスト削減を至上命令とした経営戦略が労働基準法の遵守も出来ない現実となって現れていること、富の分配は公平でなければならない、と、これがやがては購買力となって景気の上昇にも結びつくという基本を忘れないようなデジタル社会であって欲しいと締め括って一週間の流浪日記を終わっておこう。




2007年11月15日 (木)

流浪日記 530 国内PC出荷数と個人市場活性化

  国内PC出荷数と個人市場活性化 15/11/'07

 2007年度上期(4〜9月)の国内パソコン出荷状況の調査結果が、マーケティングリサーチ企業株式会社MM総研から14日付けでリリースされている。日経や朝日が記事化しているのを確認しているが小さな扱いで、PC生産販売事業が経済全体に与えるインパクトも小さいということの裏返しなのであろう。家電量販店売場の熱気も、先日数店の量販店を見て廻ったが日曜日にもかかわらず人が少なく、かつての賑やかさが消えて淋しいものを感じてしまった。12月の賞与支給前ということもあるが、比して薄型テレビ売場の方が家族連れで賑やかに感じてしまうのは、PC製品が行き渡ってしまった成熟商品であることを知らしめてくれた。薄型テレビはまだまだこれからの製品であり、より向上した性能のものが出てくるだろうが、PCはWindows Vistaでは如何ともしがたいようである。

 映像やゲームを主に楽しむ目的でなければ、Vistaが必要であることを皆が思っていないことは明白で、ネットを楽しむ程度や文書作りが精一杯という人たちにとって不必要であるということである。社団法人電子情報技術産業協会(Japan Electronics and Information Technology Industries Association JEITA)会長の町田勝彦氏(シャープ会長)の10月26日の定例会見での発言から、この間の業界人のおもいを確認しておこう。

 ◎JEITA町田会長、「PC単体での事業展開は今後厳しくなる」
      日経BP社 ITpro 2007/10/29
  ■最近のパソコン出荷状況については、「Windows Vistaの発売に期待していたが、結果として前年割れとなった。大幅な革新がないと、単に新しいOSというだけでは買い替えの刺激にならないということだと思う」と分析
  ■今後のパソコン業界については、「既にODM(相手先ブランドによる設計・生産)の委託をしているメーカーが多くなっている。パソコンをツールの1つとして広範なソリューションの中に組みこんでいるメーカーは、今後もパソコン事業が成り立つだろう。しかし、パソコン単体だけをスタンドアロンで事業展開していくという事業形態は、成り立ちにくくなってきているのでは」と指摘。
     http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20071029/285757/

 他にも重要な発言がまとめられているので、全文必読の記事であることを明記しておきたい。あらゆるデジタル関連事業、家電量販店を含む販売の一線の人たちまで知っておくべきだろう。生産業界団体のトップの景気に関する認識は、自分の担当するビジネスに直接関係なくとも話しのつぎほぐらいにはなるものだ、と若い人にアドバイスしておこう。で、MM総研のリリースから国内パソコン出荷状況を確認しておこう。

 ◎2007年度上期国内パソコン出荷概要
     株式会社MM総研 ニュースリリース 2007.11.14
  ■前年同期比5.2%減の592万台。出荷金額も、同8.1%減となり、7,090億円にとどまった。
  ■「個人系ルート」は、前年同期比2.3%減の254.1万台
  ■「ビジネス系ルート」では、前年同期比7.2%減の337.9万台と不調に終わった。
  ■メーカー別台数シェアでは日本HPがソニーを抜き、シェア5位となった。
    上位5社のうち東芝を除く4社はシェアを拡大している。

  ■8位の日立製作所は、ビジネスPCでは自社生産からOEM供給に切り替え、
    個人向けPCでも2007年9月以降、新製品の自社生産を中止した。
    そのため下半期は、ランキング圏外となる可能性が高い

      http://www.m2ri.jp/newsreleases/main.php?id=010120071114500

 リリース文から箇条書き風にまとめたものであり、下期の展望についても掲載されているので、メディアの小さな記事よりもリリース全文の熟読をお薦めする。
 このような出荷低迷打開のため、米マイクロソフトとPCメーカーなど48社が個人市場活性化のため協議会を結成というニュースも伝えられている。すでに専用サイトも作られているので記録しておこう。

 ◎ウィンドウズ デジタルライフスタイル コンソーシアム ホームページ
    (Windows Digital Lifestyle Consortium WDLC)
      http://www.wdlc.jp/index.html

 ◎業界を越えた連携による革新的なデジタルライフスタイルの創造と
   利用者への提案を目指す「ウィンドウズ デジタルライフスタイル コンソーシアム
    (WDLC)」の設立について
 2007年11月9日
      http://www.wdlc.jp/release.html

 このWDLCについてのプレスリリースはマイクロソフトのサイトからも読むことが可能で、

 ■世界的にも先進的な技術を有する日本のPCメーカー、ハードウェアおよびソフトウェアメーカー、コンテンツ/サービスプロバイダーなど48社参加の下、本日「ウィンドウズ デジタルライフスタイル コンソーシアム(WDLC)」が発足しました。WDLCでは、参加メンバー各社が、業界の枠を越え、各社の提供する情報デジタル機器(PC、携帯電話、デジタル家電など)、情報・コンテンツサービスなどを相互に連携することで、革新的なデジタルライフスタイルの創造と利用者へのシナリオ(利用形態)提案を共同で行うことを目指します。
      http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=3261

 と、こちらへもリンクをしておく。日経の記事が協議会設立の目的を簡潔に指摘しているので、これも記録しておきたい。なお全文の確認をお願いしておく。

 ◎パソコン個人市場活性化へ協議会、米MSとメーカーなど48社
    日経NIKKEI NET 11月9日
  ■MSが今年1月に新基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」を
    本格出荷してからも個人向けパソコン市場の低迷が続いているため、
    共同で活性化を目指す。

  ■PCと情報・コンテンツサービスを連携させた新たなPC活用法を探り、
    各社が製品企画や販売活動に生かす

     http://www.nikkei.co.jp/news/main/20071109AT1D0902709112007.html

 と、マイクロソフト主導の団体であることが分かるものであり、運営事務局がマイクロソフト株式会社広報部内におかれていることが何よりそれを表している。年末商戦を前に、目出度く個人市場回復となるのかどうか、注目しておこうとおもっている。

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2007年11月14日 (水)

流浪日記 529 五ヵ国(日米英独韓)退職後意識調査

五ヵ国(日米英独韓)退職後意識調査 14/11/'07

 インターネットによる調査結果が公表されているが、若い人には関心が薄いものかもしれない。高齢化社会は日本特有のものではなく、程度の差こそあれいわゆる先進国共通のものである。国連人口局(U.N. Population Division)の『世界人口の見通し 2006年改定版』によれば、67億人の世界人口が2050年には92億人に達すると予測し、先進国では総人口の20%を占める60歳以上の人口が2050年には33%の約4億人になるという。

 ◎人口問題:高齢化社会に必要な資源
     日本インターネット新聞株式会社 JanJan 2007/03/26
      http://www.news.janjan.jp/world/0703/0703252376/1.php

 ハートフォード生命保険株式会社がリリースしたのは、日本、米国、英国、ドイツ、韓国と五ヵ国45歳以上の男女6,500名強を対象に意識調査した概要であり、同社のホームページからPDFにて閲覧が可能である。

 ◎ハートフォード生命保険株式会社 ホームページ
     http://www.hartfordlife.co.jp/

 ◎ハートフォードの『5カ国退職後意識調査』結果 PDF
     http://www.hartfordlife.co.jp/press/pdf/group/press071113.pdf

 資産形成についての記述があるのは保険会社による調査であることを窺わせているが、ここはカットしてデータのみ熟読させて貰っている。もっともこのようなデータと掲載されていないさらに詳細なものが営業活動に使われるであろうから、資産形成アドバイスとしていつか直接耳にすることになるかもしれないが、今のうちに資産は形成どころか、そのものがないと宣言しておこう。
 
 それはそれとして、退職後も働きたいという意識が強いことに、いつになったら毎日が日曜日にできるのか不安になってしまう。生活水準維持の資金の確保という退職後の懸念が、働きたいという意識に結びつくのだろう。若い人の働くという意識の変化が転職という行動に結びつき労働力の流動化が進むにつれ、雇用形態の変化などと合わせ、この先どのように高齢化社会における働き方が待っているのだろうか。年金問題も含め、若い人も年よりも関係のない新しい働き方の社会の構築がないかぎり、社会そのものが破綻することは目に見えている。そんな憂いをもっているが、デジタル技術が社会を救うことになるのだろうか、などともおもったりする日々を過しているのである。




2007年11月13日 (火)

流浪日記 528 携帯端末OSとソフト開発コンテスト

  携帯端末OSとソフト開発コンテスト 13/11/'07

 米グーグルが携帯電話市場への参入を表明、ビデオによる会見を11月6日(米国時間5日夜)に行っている。IT関連ニュースサイトが大きく記事化しているし、一般紙も扱っていたので目にした方も多いのではないだろうか。今日は携帯端末OS「アンドロイド」開発から一歩進めて、対応ソフト開発コンテストを開催、賞金総額1000万ドルいう発表の記事も掲載されグーグルの携帯戦略を本気だなと思わずにはいられず、日経NIKKEI NETIT PLUSの記事を中心にまとめておきたい。日本の携帯電話会社が採用するOSについても、IT PLUSの記事が群を抜いて充実しており、ひととおりこれらの記事を熟読しておれば話題に遅れることはないというおもいからのまとめである。

  ◎「グーグル携帯」米責任者がビデオ会見・「ネットと携帯の革新、相互利用狙う」
     NIKKEI NET IT PLUS 11月6日 13:38
       http://it.nikkei.co.jp/mobile/news/index.aspx?n=MMITba000006112007

 ◎「グーグル携帯」は日本で受け入れられるか
     NIKKEI NET IT PLUS 11月9日 12:00
       http://it.nikkei.co.jp/mobile/news/index.aspx?n=MMIT0f000008112007

 ◎米グーグルが携帯ソフト開発コンテスト、賞金総額10億円超
     NIKKEI NET IT PLUS 11月13日 07:00
       http://it.nikkei.co.jp/mobile/news/index.aspx?n=AS2M1202D%2012112007

 これらの記事からグーグルの本気度がだんだんと納得するものであり、マイクロソフトとの
ネット関連事業覇権争いもまた感ずることができるものとおもう。いずれ、PCというものがネット接続することによってOSも含めたあらゆるソフトが動くという時代が来るだろう。個々に端末にインストールしていなくとも、データを含めてネット上に存在する基幹システムから動かすという仕組みである。それはより小型化したPCとしての携帯端末が、やがては主流となつていることを意味するのだろう。今はそれがための開発競争という時期として捉えておけばいいのだろう。

 上記の記事のうち『「グーグル携帯」は日本で受け入れられるか』は、石川温(いしかわつつむ)氏の執筆によるコラム記事であり、日本の携帯電話業界事情を知るにいつも重宝している筆者である。ケータイに特化した記事から教えられることが多く、取材も行き届いていることを感じている。今回も日本の携帯電話会社のOSについても、よくまとめられていて教えられること多しであり、熟読をお薦めしておきたい。

 ■NTTドコモの場合、MOAP(Mobilephone Oriented Application Platform)というソフトウエアプラットフォームを構築。OSとしては、シンビアンOSとリナックスを中心に端末開発を進めている。ソフトウエアプラットフォームを構築することでメーカーに共通のソフトウエアを提供し、短期間に低コストで端末を開発できるような環境を作り上げている。

  ●富士通、三菱電機、シャープ、ソニー・エリクソンはシンビアンOSを採用

  ●リナックスを採用するのがNECとパナソニックモバイルコミュニケーションズ

 ■KDDIはKCP+(KDDI Common Platform)という名称で、東芝を中心としたプラットフォーム開発が佳境を迎えている。

  ●三洋電機、京セラ、シャープ、カシオ計算機、日立製作所、パナソニックなどは、今後、KCP+のプラットフォームを使って端末を開発していく。

 ■ソフトバンクモバイルはどうなのか。孫正義社長は、「ドコモもauも端末はつくっていない。電話機は端末メーカーが作るもの。消費者はどのメーカーにどのOSが入っているかは意識していない。むしろ、そのうえにあるアプリケーションやコンテンツが大事だ」という立場だ。

 ただ上記のごとく、記事から携帯端末会社の採用するOSに関するものを転記したもので分かるように、ソフトバンクがどのようなOSを採用しているのか明記がない。グーグルOS開発がどのような意義をもつのかを理解するためにも、ここは日本携帯端末会社のOSについては網羅して欲しいものである。技術解説記事ではないものの、三社平等に紹介しておくのが読者への親切というものではないだろうか。

 それにソフトバンク代表者の「電話機は端末メーカーが作るもの」という談話は納得がいかない。端末機器はあくまで通信会社のブランドとして販売されているもので、どのようなOSを採用しているのかは把握しておかねばならないはずである。この談話からは知らないから答えようがないとも受け取れるもので、ソフトバンクに対するネット上の多くの苦情批判の根底にあるソフトバンクの無責任さを指摘するおもいと繋がるものではないだろうか。

 いずれにしろ、グーグル携帯が完成したときの日本の携帯端末がどのように動いていくか、今から楽しみなことではある、とおもいを書いて今日の日記を終わっておこう。




2007年11月12日 (月)

流浪日記 527 IT業界で働くこととデジタル技術

  IT業界で働くこととデジタル技術  12/11/'07

 先週末からシーネットネットワークスジャパン株式会社運営のCNET Japanにあるブログ記事をまとめて読んでいる。それらの記事から、働くということ、そして転職という一大決断に至る過程にさまざまな人生のありようを、もうすぐ老兵として消え去るのみの環境にありながらもデジタル情報技術社会に生きる今の若い人たちの意識を垣間見て、ある感傷に浸っているのだ。新聞休刊日ということもあるが、それらの記事の中からふたつほど、IT業界を越えて資本主義社会で働くということの意味を考えさせてくれるものを記録しておこう。

 ◎IT業界がダメな理由を学生の視点から考える
  ■雇用する側と雇用される側を対等であるべきと考えるなら、雇用される側にも相応の努力を求めることはあって然るべきです。
    http://japan.cnet.com/blog/0040/today/2007/11/05/entry_25001080/

 CNET Japanサイトの中にあるブログは一昔前なら投稿意見として括られるものだろうが、インフラコンサルティングの最前線として公開されている投稿意見は、各自が開設しているブログを訪問するよりひとつのテーマに沿った様々な意見を聞かせて貰うにはもっとも適当なものとおもう。特にIT業界が抱える問題、働くという環境について、時代の先端を行く産業でありながら長時間労働をはじめとした問題を抱えていることを知らしめてくれる。そして、それは特定の人間の肩におもく圧し掛かる労働であることを教えてくれて、時代は移ろうと変ろうと、結局は「ひと」の問題に帰結することにほかならない。当ブログ読者の方々には、紹介する記事全文と関連する記事はすべて読んで欲しいし、メディアサイトにある記事のひとつとはいいながらも個人の意見であるから転記はわずかのみのものに留めておくものである。

 ◎ニッポンIT業界絶望論
  ■情報という財の新しさは、ほぼ限界費用ゼロで劣化なく無限に複製できるということだ。それは理論的にはシャノンが信号を量子化する前から正しいことが知られていたが、コンピュータとインターネットの急激な普及はとうとうそれを現実のものとした。現代は新聞、テレビ、音楽、映画、本などの情報財に囲まれて暮らす豊かな時代であり、そしていまやそれらのコンテンツ産業は情報技術がもたらす価格低下圧力との仁義なき戦いを続けている。主流対主流のガチンコの戦いだ。
     http://japan.cnet.com/blog/kenn/2007/11/09/entry_25001425/

 ふたつのブログ内容に執筆者の関連はないが、IT業界という枠の中で示唆に富む発言がなされている。そしてそこから、人間が働くということの真の意味を自分なりに問い掛けているのだ。若さと情熱で、長時間労働も苦にせずこなして来たことが今、情報技術という括られ方の中で繰り返されていることを知る。しかもそれはどうやら経験したことのない、より以上の能力と時間の提供を強いられるものであるようだ。そこから転職という決断に至るありようを、個人差というものではなく人間としての尊厳を問い掛けるものとして受け止めている。デジタル技術がどのように発達、発展しようとも所詮は人間が生み出すものであるはずだが、資本主義という枠の中で経営者はどのように未来を描いているのだろうか。コンビニエンスストアという夜間も利用できる便利さが象徴するように、人間の営みの中で利便さだけを追求する社会のありようを、デジタル技術が変革させる時代を考えていかねばならないとおもうのである。




2007年11月11日 (日)

流浪映画日記 24 橋のない川 その2

   橋のない川  (ほるぷ映画1969年) その2

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  明治末年、日露戦争に勝利した余勢のもと奈良盆地にて日本陸軍の大演習が行われたと映画の冒頭、クレジットタイトル前に示される。小森部落という被差別部落の子供たちが、軍隊行進の真似事をしながら歌っているのは陸軍の連隊歌のうち奈良連隊の歌である。『大和魂つつにこめ 国の光を剣にとぎ 守れ世界に二つなき 金甌無欠の君主国』、と、子供たちの歌声は清らかであれど、およそ自由とは縁遠い体制下のものであり、彼等もまたその中でももっとも自由を享受し得ない子供たちであった。先頭のガキ大将が映画の主人公「畑中誠太郎」(高宮克弥)であるが、坂田尋常小学校にて同級生と喧嘩するもひとりだけバケツを持たされ廊下に立たされる場面から続く、祖母「ぬい」(北林谷栄)の校長への抗議は、明治新政府の解法令がいかに言葉だけのものであるかを知るには十分すぎる現実提示であり、演技者としての「北林谷栄」の圧巻の場でもあった。

 解放令は明治4年8月28日(新暦では1871年10月12日)に太政官布告として、『穢多非人等ノ稱被廢候條 自今身分職業共平民同様タルヘキ事』(穢多非人ノ称ヲ廃シ身分職業共平民同様トスの意)のように制度上は存在を廃止したものであった。映画の舞台奈良県においては、約1ヶ月後の、同年9月29日に、『乗馬の自由、乗馬用の「襠高袴割羽織」着用の自由、芝辻長吏支配のもとにあった非人番を以後居住の町村の戸籍に入れて管轄すること、という3項目に続く、一連の項目として一括して布達された』と、『明治初期の県政と「解放令」-奈良県・五條県を事例として』(http://blhrri.org/kenkyu/project/ishin/ishin_00011.html)に記載されている。

 誠太郎は級友と喧嘩した理由を先生に聞かれても明かさず、ただじっと歯を喰いしばってバケツを両手に提げ続けている。家に帰ってきた弟「孝二」(大川淳)から聞いた「ぬい」は学校へ駆けつけるのだが、この場面を八木保太郎のシナリオから書き出しておこう。
 なお、年鑑代表シナリオ集69年版に掲載されているシナリオの作者は八木保太郎の単独名となっているが、映画クレジットには依田義賢との共作となっている。想像するに映画化へ向けての改訂稿を依田が担当したことによるものではないかとおもっているが、確証はない。映画完成にあたり紆余曲折があったことを想像するのみである。

 33 坂田尋常小学校 職員室前の廊下
    ぬいの目にまっ先にとび込んだのは、
    両手にバケツを提げて廊下に立たされている誠太郎の姿だった。
    ぬいは奇妙な声をあげると、誠太郎に走り寄り乍ら叫んだ。
  ぬい  「どないしたんや。どいつが、そんなむごいこと、しやがるんや」
    ぬいは走り寄ると、誠太郎の手からバケツをもぎ取った。
    その拍子に手がすべって、ぬいはバケツの水を浴びた。
  ぬい  「どんな悪さしたんや。ドロボウでもしたんか」
  誠太郎 「ドロボウなんかせえへん」
    誠太郎ははじめて子供にもどって泣いた。
  ぬい  「ほなら、どないしたんや」
  誠太郎 「わしのこと、エッタエッタぬかして阿呆にしたんや。
        せやからどづいたんや」
  ぬい  「エッタ言うてか」
    ぬいは怒りで体がふるえた。
  ぬい  「まっとれ。おばんが校長はんに談判したるで――」


 映画では誠太郎の台詞は省略され、ぬいの台詞のみの演出となっている。

 ■どないしたんや誠太郎。なんでバケツ持たされてんのや、
   なんぞ悪さでもしたんか、どないしたんや……
   聞かいでもわかってらぁ。


 このように誠太郎に差別語の台詞を言わせなかったのは、映画化にあたり運動団体との話し合いの末、子供には差別語を言わさないということになったからであろうか。であれば、事前の協議を重ねた上での製作であっても、完成された作品にはなお不満足として上映中止運動となったものであろうか。シナリオを元に具体的な要求を出されてものであろうが、果たしてこの場面がそうであるのか知るすべはない。今は、完成された本編とシナリオの相違が、監督の撮影現場での演出方針によるものなのかどうかも判断できない、というもどかしさがあるのみである。

2007年11月10日 (土)

天草四郎時貞 (1962年 東映京都) 五

   天草四郎時貞  1962年 東映京都 その五

01_10   本作製作当時の東映京都撮影所長は岡田茂ではない。1961年9月には東京撮影所長として赴任、東映現代劇の改革に取組んでいた頃の製作なのである。しかし、岡田茂がいないことが天草四郎時貞の企画が通った理由かどうかは分からない。分かることは、岡田もまたこの作品に期待していたということであり、その期待が無残な結果となったことだけである。岡田は自らの著書で語る。

  ◎「天草四郎時貞」をやるというから、僕は期待していた。
  「初号プリントを見せろ」と京都に電話をしておいて、すぐに試写を見た。
  「なんだこれは、真っ暗闇だぞ。どうしたんだ、これは」
    多少声は聞こえる。だが、声はすれども絵は見えずで、ずっーと真っ暗。最初は機械が故障しているのかと思った。でも、機械はこわれていない。大島君というのは変わったフィルムをつくる監督だなと思った。これがバカ当たりどころか、大コケだ。三日で打ち切って、すぐほかの現代劇の映画に切り替えた。どうしようもなかった。
 
   (波瀾万丈の映画人生 岡田茂自伝 角川書店刊 124頁)

 後に岡田は大島に訊いたという。大島は、これがリアリズムであり昔は蝋燭の灯りではこの程度にしか見えなかった、と言ったという。しかし岡田は映画でそれをやってはいけないと言っているのである。そして、ここでは現代劇に切り替えたと言っているが、これは記憶違いで、実際には「千姫と秀頼」の時代劇であり、3月28日に鶴田浩二の「誇り高き挑戦」を併映としていることが記録されていることを指摘しておこう。かなり変則な二本立て上映となってしまったことが窺える後始末であったわけである。しかし、大川橋蔵が、中村錦之助に対抗心を燃やし、大島で「天草四郎時貞」を撮ることには期待していたわけであり、それは岡田自身が錦之助の母親である「小川ひな」にタイトルの序列のことで苦情を受けた過去があったからではないかともおもう。つまり橋蔵の生い立ちのことから、両方ともに大事な東映のスターではあるが、橋蔵贔屓もあったのではないかと推察するのだ。それは我が身を橋蔵において考えて見たいのであり、長谷川安人助監督が言う橋蔵の「理念と現実の差に劣等感」について今一度振返りたいのである。

 ことの詳細はこうである。錦之助と橋蔵が共演し同一のクレジットタイトルなりポスターで表示する際には、錦之助は常に橋蔵の右という指定をしていたという。つまり序列が上ということであり、岡田は苦肉の策でポスターを二種作成、東京と京都ではそれぞれの名が右になったものを貼り出したが、館前の看板までは気が回らず、橋蔵が右になったものが東京で出現、すかさず苦情が「小川ひな」からあったという。暮れの31日、指摘を受けた岡田は急遽看板屋を手配、書き変えて元日には間に合わせたと言う。これは、橋蔵がガラス屋の親父と誰かの間に生れた子で、六代目菊五郎の小僧として歌舞伎界に入ったことから、錦之助とは格式が違うというのが言い分なのであった。

 このエピソードは「波瀾万丈の映画人生 岡田茂自伝」の109頁以下に記述されたものからなのだが、歌舞伎界の体面や名誉を重んずる気風がそのままに表面化したものとおもう。このときの作品が何であったかまでは記されていないが、岡田にとって橋蔵に肩入れしたくなる気持ちが芽生えたのではないかとおもっている。勿論立場上、どちらに味方するとは言えなくとも、橋蔵の屈折した錦之助へのおもいが、岡田には理解出来ていたのではないかとおもうし、長谷川安人の言葉の重みもここにあると見たいのである。それゆえに、岡田は京撮を離れ企画がどのように通ったのかは知らなくとも、松竹を退社した大島渚で大川橋蔵主演という新感覚の時代劇に期待したのではないだろうか。そうおもうゆえの、結果が残念でならないのであり、今、この作品の良さが多くあることを指摘しておきたいのである。


2007年11月 9日 (金)

流浪日記 526 ケータイ充電と転職実態調査

   ケータイ充電と転職実態調査   09/11/'07

 タイトルに掲げた二つの事象は相互に関係のあることではない。関係があるとしたら、ネットエイジア株式会社(Net Asia Co., Ltd.)がモバイル調査したテーマであることだ。同社は携帯電話モニター「50万人」を標榜するモバイルリサーチを主力業務としたマーケティング会社である。東京都港区赤坂が本社所在地ながら、なぜか長崎市のみに出先がある。アジアを商圏としたビジョンによるものか、或いは単に役員の出身地なのか、それとも大きな得意先でもあるのか、サイトの企業情報を見ても判然としない。ただただ、長崎オフィス所在地が長崎市桶屋町ということで、懐かしくもほろ苦い想い出の地のひとつであるから、リサーチ内容の記録にかこつけてそのことを書きたくなっただけのことである。

 もう三十年を越えて訪れた事のない長崎市、桶屋町は長崎駅前日活劇場へ歩いて行く通り道であり、5本立て日活映画を見に行った小学校の頃、長崎市公会堂が近くにありここで渡哲也主演の「昭和やくざ系図長崎の顔」のロケがあったこと、勝手にエキストラになった後姿が写っているはずだが、小さすぎてさっぱり分からないもののこれもまた青春の日々であったことだけは間違いない。デジタル日記が感傷日記になってはならない。本題に戻して同社の二つの調査結果をリリースから記録しておこう。

  ◎ネットエイジアリサーチ 外出時のケータイ充電に関する調査結果
      ネットエイジア株式会社 プレスリリース 2007年11月08日
   ■電池の消耗を少なくするために心がけていること
     回答者がふだん心がけていることを複数回答で聞くと、「電池が残り少なくなってから充電する」が49%と多く、次いで「省電力表示にしている」37%となっている。その他、「圏外で電源を切る」10%、「こまめに電源を切る」5.7%で「特にない」との回答者が28%いた。現在使っているケータイ端末の「電池の持ち」について、「かなり満足」「まあまあ満足」が合わせて46.4%、「やや不満」「かなり不満」が合わせて34.6%となっている。
     http://www.netasia.co.jp/release/post_11.html

  ◎ネットエイジアリサーチ 若手ビジネスマンの転職実態調査2007
      ネットエイジア株式会社 プレスリリース 2007年11月01日
   ■転職先を選ぶポイントは、「職種」「勤務時間」「給与」・・・現実重視
     転職先を選ぶ際に重視したこと(複数回答)は、「職種」58.3%、「勤務時間」51.7%、「給与」49.7%が上位3項目になっており、会社の将来性や知名度といった計りにくいものより、より現実的なことを重視しているようだ。また男女で回答傾向に差が出ている。男性では「職種」が51.8%でトップ、2位「給与」(46.8%)、3位が「仕事のやりがい」で41.8%となっている。以下「業種」「勤務時間」「財務内容」「社内風土」「将来性」の順で続いている。女性では、「職種」と「勤務時間」が64.2%で同率1位、3位「給与」(52.2%)、以下「業種」「社内風土」「仕事のやりがい」「福利厚生」「財務内容」8位に男性では回答がほとんどなかった「勤務するビルの美観・立地」が入っている。
     http://www.netasia.co.jp/release/_2007.html

 リリースから調査結果の一部、特にこれは役に立つデータとおもうところを転記しておいたが、全文の確認は必須とお願いしておく。なお両調査ともに全回答結果データをCSV形式にてを1万円(税別)にて販売するとのことなので、自分のビジネスに有用であれば連絡先や担当者名もリリースに明記されているので購入されるとよい、と懐かしの長崎のよしみで宣伝をしておこう。あらためてプレス用に発表しているもののマスコミの取上げ方をネット検索してみると淋しい限りで、営業担当などの活動が不足しているようだ。事の良し悪しはおいて、マスコミに取上げられことはやはり大きな益である。頑張れとエールを贈って、転記の礼としておこう。

2007年11月 8日 (木)

流浪日記 525 日テレリクルートの新ビジネス

  日テレリクルートの新ビジネス   08/11/'07

 日本テレビ放送網株式会社株式会社リクルートが資本と業務の提携をしたという。両社の7日付けプレスリリースから知ったもので、IT関連ニュースサイトにても記事化しているのを確認したところである。目的は日テレの番組とリクルートの生活関連情報を結合、ネットややワンセグ放送でのコンテンツ提供を目論んだものである。業務提携の前に、資本提携も10月に完了しているとリリースに明記されている。

 ◎日本テレビとリクルートとの業務提携および資本提携に関するお知らせ
     日本テレビ放送網株式会社 プレスリリース 平成19年11月7日
      http://www.ntv.co.jp/info/

 ◎日本テレビとリクルートとの業務提携および資本提携に関するお知らせ
     株式会社リクルート ニュースリリース 2007年 11月 7日
      http://www.recruit.jp/newsrelease/2007/11/new/NR20071107_02

 内容は同じだが、発信者名が日テレのものは連名、リクルートのものは単独になっている。この違いが何処から来るものかは知らない。

 ■日本テレビ放送網株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長執行役員:久保伸太郎、資本金: 185億7599万円 以下「日本テレビ」)と株式会社リクルート(本社:東京都中央区、代表取締役社長兼CEO:柏木 斉、資本金:30億264万円 以下「リクルート」)は、本日、両社の業務提携に関する覚書を締結いたしました。また、この業務提携を補完する目的での資本提携をこれまでに実行しておりますので、併せて下記の通りお知らせいたします。

 ■業務提携の概要
 日本テレビの有するコンテンツ制作力と、リクルートが有するセールス力や、メディア開発力を活用して、地上テレビジョン放送番組と連携する新しい情報サービスの提供や、両社が有するインターネットサイト・モバイルサイト・ワンセグ等における提携サービスの提供、その他デジタルメディアに関連する新規ビジネスの開発等について相互に検討し、実現してまいります。

 ■資本提携の概要
 なお、両社は、上記の業務提携をより強固なものにする目的で、平成19年10月に日本テレビがリクルートの発行済株式のうち1,111,000株(1.8%)をリクルートの子会社から 99億9900万円で取得いたしました。
 また、10月末までに、リクルートが日本テレビの発行済株式のうち645,460株(2.5%)を市場から99億9991万円で取得いたしました。


 リリースの主要部を記録しておくが、全文の確認をお願いする。で、資本提携概要にある、株式取得の額を99億9900万円あたりに統一しているのがなんとも奇妙な手法で、株価の違いから発行済み株式の取得割合がそれぞれ違っているのが目につく。ニュースサイトでここらの解説をしてくれているものがないか、

 ◎日テレ、リクルート提携・100億円相互出資、番組に「情報」活用
    日経NIKKEI NET マネー&マーケット 11/7 9:32
  ■相互に約100億円を投じて発行済み株式の2%弱から3%弱を取得。
  ■日テレは6日までにリクルート子会社などが保有するリクルート株を2%弱取得。リクルートも市場を通じて日テレ株を3%弱取得した。日テレは放送外収入を伸ばし、リクルートはテレビを利用して自社コンテンツの収益機会を広げる狙い。メディア関連企業へのM&A(合併・買収)が今後も予想されるなかで、株式持ち合いにより安定株主を確保しておく目的もあるとみられる。
    http://markets.nikkei.co.jp/kokunai/hot.cfm?id=d1d0606g06&date=20071106

 と、これ以上突っ込んだ記事は見当たらなかった。資本提携の解説にあたる部分のみを記録したものなのだが、業務提携意図なども書かれており記事全文の確認は必須である。要するにそれぞれが100億円を用意した資本提携と、同一額で歩調を合わせた手法ということである。このような株式取得割合を合わせるのではなく額で統一という手法による資本提携は珍しいのではないだろうか。当方が知らないだけかなとおもい、ひとつ勉強になったと正直に書いておきたい。

 デジタル放送とネット上のコンテンツ制作、さらには携帯電話によるネット接続の一般化と、放送とネットの融合時代を間近に控えた今、大手メディアの提携による対費用効果など大きなメリットを生み出すのではないだろうか。民放東京キー局と広告会社などによる業務提携がこれからも進んでいくだろう。そうなれば中小の広告関連企業はよりヒットコンテンツを求めしのぎを削ることで、生残りをかけていかざるを得ない。新たな知恵があればまだまだ参入可能な業界であり、創意と工夫をもつ才能の発掘もより重要となっていくだろう。老体にはとてもついて行く気力はないが、これからのコンテンツはどのようなものになっていくんだろうとだけは思った朝である。

2007年11月 7日 (水)

流浪日記 524 リモコン操作HDMIセレクタ

   リモコン操作HDMIセレクタ   07/11/'07

 プラネックスコミュニケーションズ株式会社の6日付けリリースを見て欲しい。フルハイビジョン対応でリモコンによる切換が可能な、HDMIセレクタ「HDMI-SW04P」を12月中旬に発売するという。この種の入力系統切替機は従来から、新種の接続方法がテレビやAVアンプに搭載されるようになると、安いものから高いもの、人力による切替やリモコン操作による切替可能のものまで多種多様に発売されている。薄型テレビがフルハイビジョン対応が主流となりつつある今、テレビ側の入力系統が一つないし二つでは、増えつづけるハイビジョン再生機器がつなげないことが十分起りうるからいずれ発売になるとはおもっていた。BDやHD DVDのプレーヤーが年末商戦でどれだけ受入れられるか、メーカーの意気込みは別にしてデジタル機器ファンには繋ぎが面倒だと思っていたに違いないから待っていた製品というところである。

 ◎4ポートHDMIセレクタ「HDMI-SW04P」を発売
    プラネックスコミュニケーションズ株式会社 プレスリリース 2007/11/06
     http://www.planex.co.jp/company/release/20071106_hdmi-sw04p.shtml

 ◎HDMI-SW04P詳細 PDF
     http://www.planex.co.jp/company/release/pdf/20071106_hdmi-sw04p.pdf

 デジタル機器のことはあまり知らないのだがという方のために、ハイビジョンとその接続方式について、リリースからポイントを記録しておこう。

 ■フルハイビジョン対応  
   1080pのフルハイビジョンに対応していますので、ブルーレイやHD DVDフォーマットの映像コンテンツや高画質のゲーム画面などを非常に細かく鮮明な画質でお楽しみいただけます。

 ■HDMIとは
   HDMI(High-Definition Multimedia Interface)とは、一本のケーブルで映像と音声を高品位なデジタル信号でやり取りできる、最新のインターフェースの規格です。主にAV機器で使われています。

 説明を加えていくときりがなくなるので上記二つのことを、フルハイビジョン信号をHDMI規格の接続方法でやり取りするとおぼえておけばいいとおもう。ところで、プラネックスコミュニケーションズ株式会社は、インターネット、ネットワーク、モバイルコンピュータなどの関連バイスなどの開発・製造・販売やITシステム構築の提案からLAN工事の請負を事業目的としているが、グループ企業に株式会社トリスターがあるといえば、あっと思われる方もおられるのではないだろうか。携帯電話のデータ編集・管理ソフトである「携帯万能シリーズ」を扱っている企業である。関心があるのは事業目的ではなく、親会社がドリームイメージス有限会社という代表権者の不動産管理を目的とした個人企業で、、議決権18.34%を所有しているということなのだ。

 ◎親会社等の決算に関するお知らせ
     プラネックスコミュニケーションズ株式会社 IRリリース 2007/10/19
       http://www.planex.co.jp/company/pdf/20071019_kessan.pdf
  
 を、見ればそのことが書かれている。NOVAのことが色々取り沙汰されている今、今日も支援企業が決定したという朝刊各紙の記事で溢れていたが、最近のいわゆる新興企業のありよう、ノバ企画のように代表権者が別に当該法人の株式所有を持つ企業を持つという形態に、時代を感じているのだ。持株会社があったりと、公表される決算関連の情報を見ても単独の企業の財務状況がすぐには掴めない複雑さが、会計の専門家でなければなかなか分かりにくい現代企業経営のありようなのだなぁと感心するのみなのである。最後はデジタル技術の記録ではなくなったが、このようなことも知っておかねば現代を生きられぬと自覚のみあるのが、本音でということである。

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2007年11月 6日 (火)

流浪日記 523 携帯OS開発にグーグルが参入

  携帯OS開発にグーグルが参入   06/11/'07

 携帯電話向けネットサービスのための基本ソフト開発に米グーグルが参入するという。各紙朝刊が記事化していたので、米国内での発表があったようだ。現時点ではシーネットネットワークスジャパン株式会社運営のCNET Japanにて海外CNETニュースの翻訳記事を読むことが可能である。

 ◎グーグル、携帯電話向けプロジェクト「Android」発表か
     文:Tom Krazit(CNET News.com) 翻訳校正:編集部 2007/11/05 09:43
  ■ (略) Googleの計画に詳しい情報筋によると、携帯電話上で稼働するモバイルプラットフォーム(開発コード名「Android」)にLinuxソフトウェアを搭載することになるという。「a complete mobile-phone software stack(完全な携帯電話ソフトウェアスタック)」と呼ばれるソフトウェア開発キットの開発が進行中で、比較的近い将来にリリースされるという。このスタックにどのようなソフトウェアが含まれるのかはあまり明らかでないが、携帯電話の動作に必要となるものすべてが含まれるという。 (略)
 他の情報筋によると、日本のワイヤレス事業者であるKDDIとNTTドコモが、Open Handset Allianceと呼ばれる予定の同プロジェクトに大きく関与しているという。
    http://japan.cnet.com/mobile/story/0,3800078151,20360296,00.htm

 全文の確認は必須である、必ずお願いしたい。他紙に比し朝日朝刊が経済面で大きく取り扱っていたのが印象的だったので、asahi.comから記録しておこう。

 ◎グーグル、携帯向けOS参入へ 無料で公開、MSと競合
     朝日asahi.com 2007年11月06日06時03分
  ■米インターネット検索最大手のグーグルは5日、基本ソフト(OS)など携帯電話をつくるのに必要なソフトウエア一式を開発し、無料で公開すると発表した。携帯向けに限定したものだが、グーグルのOS事業参入は初めて。これまで様々な分野で対抗してきた米マイクロソフト(MS)の創業以来の中核事業でも競合する。
 グーグルは、NTTドコモやKDDIのほかスプリント・ネクステル、Tモバイルといった世界の主要通信会社など30社以上と提携し、共同組織「OHA」を設立。「アンドロイド」と名付けた新ソフトを無償公開し、これをもとに各社が新型携帯電話を開発する。08年下半期にも発売が始まる見込みだ。

    http://www.asahi.com/business/update/1105/TKY200711050331.html

 記事の冒頭部のみなのでこれもまた全文必読とお願いする。CNET Japanの翻訳記事はこれから発表すると書かれているから、朝日記事は発表を受けてのものであろう。読み比べるとそれはそれで面白い記事である。日経記事も残しておくが、記事の一部のみである。

 ◎グーグル、無償の携帯基本ソフトに参入 
     日経NIKKEI NET IT PLUS モバイル最新ニュース 11月6日/日本経済新聞朝刊
  ■米インテルやモトローラ、韓国サムスン電子、NTTドコモ、KDDIなど世界のハイテク・通信企業33社と提携し、基本ソフト(OS)など携帯電話に必要なソフトをすべて無償提供する。これらのソフトが普及すれば、パソコンに代わって将来、IT(情報技術)機器の中心になるとみられる携帯向けネットサービスの拡大にはずみがつきそうだ。
    http://it.nikkei.co.jp/mobile/news/index.aspx?n=AS2M0501O%2005112007

 これもまた全文を確認しておいて欲しい。時間の関係から駆け足でまとめておいたが、携帯電話のOSが統一されたらこんな便利なことはないだろう。デジタル技術の覇権を争い、熾烈な競争が繰り広げられることによってますます成長していくことだろう。




2007年11月 5日 (月)

流浪日記 522 口コミ病院情報サイト

    口コミ病院情報サイト    05/11/'07

 株式会社QLife(キューライフ)が運営する病院口コミ検索サイト『QLife』に携帯電話専用サイトが出来ている。病院の口コミサイトは医者と患者という人同士の関係が主となるものだから、患者側の主観的なものが入り工業製品などの使用に関する口コミサイト、例えば価格コムなどの閲覧による情報入手とは違い、より受け取る側の判断が必要であるとおもっている。しかし、参考になることは多いと認めざるを得ないのだが、口コミ発信が意図的なものがあるとしたらこれを見破るのは難しい。普段から馴染みのある病院であれば、何かおかしいと感ずるところもあるだろうが、行ったこともない病院についてはその判断が至難である。それでも個人が発する情報社会の一つのあり方として、病院側も十分に対応に気をつけるきっかけになれば、それでひとつの目的は達することができるのかもしれない。特に急を要する病院選びの場合、携帯サイトの活用は患者側にとっては便利なものであろう。

 ◎QLife、携帯向けに口コミ病院情報サイト
     日経NIKKEI NET BIZ PLUS 11月5日/日経産業新聞
  ■携帯の全地球測位システム(GPS)機能を活用し、利用者の現在地から近い病院の検索が可能。併せて各病院の特徴や長所を紹介する口コミ記事を読むことで、いつでもどこでも自分に合った病院を選べる。
 携帯サイトでは病院を表示する地図に、米グーグルが提供する「グーグルマップ」を活用。GPSによる検索のほか、計1万のJRや私鉄の各駅から近い病院を検索することもできる。

     http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/top/index.cfm?i=2007110402665b1

 PCのサイトは価格コムなどと同様クチコミ入手の手段としてときおり覗いているが、携帯の画面は老眼にはつらくめったに閲覧することはない。したがって携帯画面がどのように構成されているのかを知らない。知らないままに紹介するのは気が引けるものの、デジタル情報日記としては記録をしておきたいのだ。

 ◎QLife ホームページ
     http://www.qlife.jp/

 ◎QLife モバイルサイトアクセス入口
     http://www.qlife.jp/about_mob.html

 株式会社QLifeは、2006年11月17日の設立で株式会社カレンの子会社として発足している。インターネットコム株式会社運営のjapan.internet.comには同社の設立時の記事が今でも閲覧できるので記録しておきたい。

 ◎カレン、子会社「QLife」設立で医療・健康分野のマーケティングに参入
        japan.internet.com  Webマーケティング 2006年11月1日
  ■新会社は、東京・神奈川・千葉・埼玉の一都三県を対象とした、全ジャンルの病院検索が可能な口コミ Web サイト「QLife」と、世田谷区・目黒区・大田区限定で10万部を配布するフリーペーパー「QLife」を展開する。
 Webサイト「QLife」は、首都圏の病院、診療所、歯科、動物などの評判口コミを網羅する。医者と生活者の距離を縮めることが目的であるため、全投稿に2重チェックをかけるなどして批判投稿を排除しているとういう。

    http://japan.internet.com/wmnews/20061101/2.html

 この記事の全文転記ではないが、記録した目的は末尾にある『全投稿に2重チェックをかけるなどして批判投稿を排除している』との記述があるからだ。病院にとっても、患者側にとっても広告宣伝にしかすぎない運用であれば、サイトの存在意義はない。しかし、会員数十万人突破というリリースも出されていることを知っておきたい。

 ◎QLife(キューライフ)の口コミ会員が10万人を突破、
   会員組織サービスを企業などに本格提供
  株式会社QLife 2007-10-24
  ■QLife(キューライフ)WEBサイトの閲覧者は現在約60-70万人/月ですが、口コミを投稿するためには、会員登録が必要です。
 病院の口コミは、「何をどう書いたらよいのか、表現が難しい」といわれます。飲食店に関する口コミと比べて、まだ目にする機会が少なく、プライベートかつデリケートな内容も含まれるためです。さらにQLifeサイトは、内容を「前向きな口コミ」に限定しているため、投稿できる医療機関対象が限られるというハンデもあります。
 そのため弊社では、文章を書き慣れているブロガー層に対して注力して投稿呼びかけしたり、初心者でも書きやすい投稿フォームを試行錯誤するなど、さまざまな工夫をしてきました。
 この会員組織が予想以上に活発なため、今後は企業向けサービスに転用して本格販売していきます。具体的には「健康や医療への関心が高く、かつ情報発信能力が高い」という特徴ある属性を活かして、アンケート調査や健康食品の試供体験談作成サービス啓蒙的タイアップ企画などを、企業・医療機関・学会などに提供していきます。

     http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000000347.html

 長くなることを承知で転記したのは、このように同社自身が『前向きな口コミに限定』していると発信していることを理解しておきたいからである。このようなことが根底にあったために、当日記の冒頭の記述となったものである。病院批判は難しいものだ。患者側の思い込みもあろうし、そこへ医者の説明不足も重なれば最悪である。同社の試行錯誤は続くであろうが、本来的にはマーケティング業務の一環ではあろうが、デジタル社会の情報発信のあり方も含めて、同社には更なる充実サイトを構築してもらいたいと願っておく。




2007年11月 4日 (日)

天草四郎時貞 (1962年 東映京都) 四

 天草四郎時貞 1962年 東映京都 その四

01_28   このようなリアリズムに溢れた映画として完成した「天草四郎時貞」が分かりにくい原因のひとつに、編集段階のカットがある。何がカットされていたのか。
 評論家「樋口尚文」は、その著書「大島渚のすべて」(キネマ旬報社刊)において、

 ◎ (略) 大島はがまんならなかったようで、岡新兵衛(大友柳太朗)の妻・桜に扮した丘さとみの演技は特に許しがたく、ばっさりとカットしてしまったらしい。そのため、多賀主水(佐藤慶)が四郎に内通する新兵衛に、桜と四郎の仲に疑念を持たせて、その結託を瓦解させようと工作するくだりも、なんだかさっぱり判らなくなってしまっている。 (同書 84頁)

 と、東映時代劇俳優の持つ資質と、大島渚が俳優に要求する演技の資質とに乖離があることを指摘しながら、カットしてしまった場面があることを指摘している。このような、撮影はしたものの編集段階においてカットしてしまうのは、大島映画の特長であることを自らが語っている。

 ◎ぼくは、捨てること、切ることの好きな監督なんですね。自分の撮ったカットでも、編集段階で容赦なく捨てる。コンテを考えてるなかでも、こんなカットはいらないんじゃないか、というふうに研ぎ澄ましていくと、必然的にカットの数が少なくなり、かつ長回しが多くなる。 (略)
 『天草四郎時貞』(一九六二)も、かなり切ったし、『悦楽』(一九六五)も切った。映倫の関係もあったけど。この二本は切りすぎでしょう。ほかにもけっこう、切ってますよ。ただ、こまごま切るんじゃなくて、バサッと落とす。ぼくの場合は、だめなシーンをシーンごと落としてしまうことが多い。
 
  (大島渚1960 日本図書センター刊 200頁〜201頁)

 特に映画の後半においては、シナリオ段階ではあった説明的場面も容赦なくカットしてしまう自作のありようを、日本映画の伝統的な作り方ではないと語る大島である。「樋口尚文」が指摘した丘さとみのシーンは、大島がいうだめなシーンであったのだろうか。その理由が東映的俳優の資質に起因するものであるなら、「天草四郎時貞」は製作時から不幸を背負っていたのかも知れない。このような製作条件は東映商業映画として当然予測できることであり、撮影に入って俳優の資質に肩を落すのであれば、それは演ずる丘さとみにとっても不幸なことであったろう。「大島が東映で天草四郎で、またおもしろいものをつくってくれるんじゃないかという大方の期待をみごとに裏切った」(同書 298頁)という結果となったことの一因が、ここにあったのではないかと思う訳である。

 丘さとみは、花の東映三人娘(丘さとみ、大川恵子、桜町弘子)のひとりであった。高校生のとき、ウォルトディズニー映画「シンデレラ姫」の公開記念のコンテストで一位となり、それが縁で高校卒業後米映画会社RKOの日本支社長秘書となり一年間を社会人として過ごしている。このとき、洋画館館主で東映の大株主であった人物が、東映京都撮影所に連れて行ったことから正規のニューフェース第2期生ではなかったものの、途中から加えられるという運が開けたものであった。昭和30年のことで、第2期生には東映東京の高倉健がいたという。その後は初代三人娘(千原しのぶ、高千穂ひづる、田代百合子)を凌ぐ人気者となっていった。なお、初期の芸名が「竹原千恵子」といったが、これはわずか三日間だけのことであったという。因みに、桜町弘子の初期芸名は「松原千浪」ということである。(丘さとみ 東映城のお姫様 ワイズ出版刊より)
 主に東映京都作品出演が多い丘さとみにとって、松竹女優に求めるような演技を要求されたことになるのであろうが、大島渚の求める「せっかちで、ぶっきらぼうで、余剰な情緒などを一切排除した演技」(大島渚のすべて 84頁)でなくても、残された「天草四郎時貞」本編において、十分存在感を感じさせる演技であったと云っておきたい。




2007年11月 3日 (土)

流浪映画日記 23 橋のない川 その1

   橋のない川   (ほるぷ映画1969年) その1

01_29    独立プロ名画特選として「橋のない川」の一部二部が「株式会社新日本映画社」よりDVD化され、心置きなく40年前の初見時の感動を再現することが出来た。初見は定時制高校へ行っていた頃であり、もっとも多感な年頃であったとおもう。この頃昼は本屋で働いていて、映画の製作母体である「ほるぷ図書」のことをおぼろげながら覚えている。ほるぷ運動という家庭に良書を届ける団体が唱えていたもので、配達の間隙を縫って宣伝していたことがあった出版社であった。現在、『全国ほるぷは、1999年末に破産した株式会社ほるぷに残った労働組合員49名が、立ち上げた会社です』と「全国ほるぷ」として活動しているとサイトにある。 (http://www.holp.co.jp/info/info.html) 映画「橋のない川」の原版著作権を全国ほるぷが買い取ったことによって、DVDとして甦ったものであるようだ。

 購入したのはBOX化された社会編で「キクとイサム」が付随し、これはこれで日本における混血児への偏見と、あの頃「あいの子」と言って日常的に使っていた言葉を思い出させてくれた。身近にいたわけではないのだが、子供の頃の大人の話す社会認識とはそのようなものであったということでもあり、振返れば恥かしい限りの差別意識である。それを差別と思わない意識が、あの時代の常識であったことをただただ恥かしくおもうものである。いずれ別に取上げなければならない作品として、心においておこうとおもう。

 「橋のない川」を見直し何度か感想をと書き出しては見るものの、挫折の繰り返しであった。どう書けば映画の「差別はいけない」との単純でかつ真摯なテーマを、誰も傷つけず、批判を受けず伝えられるのか、問題のむずかしさに突き当たるのである。そのこと自体が、身構える意識そのものが差別に近い意識ではないのかと自問自答しながら、「人間みな兄弟」という被差別部落のありようを映像化した記録映画を見て初めて知ったことに繋がる、日本社会にこのような問題が存在することの衝撃こそ原点であったことをどのように伝えればいいのか、おもいは乱れるばかりなのである。根底にあるのが、社会党を支持する部落解放同盟と共産党を支持する部落解放連合会の争いであり、どちらを支持するものでもないだけに、70年代の部落解放同盟による橋のない川上映阻止運動が無益の争いとのおもいと重なり合うのである。これについては、当時の阻止運動に関った当事者の方の意見が、ネットで読めるので是非確認して欲しい。
  
 ◎映画「橋のない川」上映阻止は正しかったか 今井正版・東陽一版を見て
    部落問題全国交流会事務局『第9回部落問題全国交流会報告書』、1993年4月
      http://www.cc.kyoto-su.ac.jp/~nadamoto/work/199304.htm

 このような経過があっての、映画「橋のない川」への数十年ぶりの再会となったものである。差別というものの実感もないままに見たことが返って感動を呼んだのか、なぜあの映画が上映阻止というものに遭遇しなければならないのか、とよく理解が出来なかったというのが本音である。八木保太郎というシナリオ作家の筆になる第一部は年鑑代表集69年版に掲載されているが、特に丁寧に差別事象が描かれていて見るものに「隅々まで神経の行き届いたリアルな表現」(上記報告書より引用)とおもわせている。二部のライターは「佐治乾」で、この作家の書くものも読み応えのあるものが多い。二部のシナリオは未定稿としながら雑誌「シナリオ70年2月号」に掲載されていたから、夢中で読んだものである。両シナリオライターのことを書き出せばきりがなくなるので止めておくが、その作風は社会性のある作品に力量が発揮されているものとおもっている。これから細かく映画の内容を見ていきたのだが、二部の終りに語られる大正十一年三月三日の「全國水平社創立大會」における水平社宣言の末尾を書いて今回は終りとしたい。

 ◎吾々は、かならず卑屈なる言葉と怯懦なる行爲によって、祖先を辱しめ、人間を冒涜してはならなぬ。そうして人の世の冷たさが、何(ど)んなに冷たいか、人間を勦(いたわ)る事が何であるかをよく知ってゐる吾々は、心から人生の熱と光を願求禮讃するものである。
 水平社は、かくして生れた。
 人の世に熱あれ、人間に光りあれ。



2007年11月 2日 (金)

流浪日記 521 郵便年賀サイトで作る年賀状

  郵便年賀サイトで作る年賀状   02/11/'07

 年賀はがきが発売になった。ディズニーデザインの寄付金つきはがきも発売されているようで、メディアが一斉に書きたてている。一例を記録しておくが、昨日の夕刊の記事にあった読売YOMIURI ONLINEの関西発のニュースにしておきたい。

 ◎民営化後初のお年玉年賀はがき発売
     YOMIURI ONLINE 関西発 2007年11月1日 読売新聞 
 ■郵政民営化後初のお年玉付き年賀はがきが1日、大阪市北区の大阪中央郵便局など全国の郵便局で発売され、「ディズニーキャラクター年賀」など新柄を含むはがきを、待ちかねた客らが次々と買い求めた。
 販売数は3年連続減少しているが、日本郵政グループ内の会社同士を“競わせる”形で販売。日本郵便は配達員がPRチラシで注文の獲得を目指し、郵便局会社は保険の外務員らにもセールスを指示、全国で前年比10・4%増となる計40億枚の販売を目指す。

    http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20071101p402.htm

 記事はこれだけではなく、続けて配達に要する時間についてのコメントが書かれている。年賀はがきではないが、民営化になっても遠隔地に普通便で送ると日数がかかる状況は少しも改善されていず、速達料金の負担なくして配達に要する日数の短縮を図って欲しいと、同感のおもいがあるので、記事全文に目を通して欲しいとお願いしておきたい。民営化によるサービス向上の一環であろうか、デザインエクスチェンジ株式会社郵便事業株式会社の運営する年賀特設サイト「郵便年賀.jp」にコンテンツの提供をするというリリースが出されている。

 ◎日本郵便年賀特設サイトへの年賀コンテンツ提供に関するお知らせ
     デザインエクスチェンジ株式会社 ニュースリリース 07/11/01
  ■1.「郵便年賀.jp」について
 「郵便年賀.jp」は、年賀状を楽しく作成できるコンテンツや年賀状についての情報が掲載された、日本郵便が運営する年賀に関する様々な情報やお知らせをお伝えする年賀サイトです。
   2.提供内容
 当社は、上記サイト内にて500種類のデザインテンプレートを無料でダウンロードできる「おすすめライブラリー500」にて提供される500点のデザインテンプレートを日本郵便に提供いたします。
   3.提供目的
 普段デジタルコンテンツに触れる機会のない一般コンシューマーの方々へ、年賀状を作るという年に一度のイベントを通じてデジタルコンテンツに触れていただくことが、当社のコンセプトである「イージーアクセスデザイン」と合致すると判断いたしましたので、当サービスに賛同し協力するものであります。
 当社は、今後もこのような活動を通じて一般コンシューマーとクリエイターをつないでいく当社の役割を果たしていく所存であります。

     http://www.designexchange.co.jp/newpage2/news/irr/pdf/071101.pdf

 長文のリリースではないので主要部分を記録しておいたが、「郵便年賀.jp」のサイトとデザインエクスチェンジの独自サイトでも年賀素材の有料ダウンロード販売をしているので記録しておく。無料ですますか、有料でも好みのものを使うかは考え方の違いであろう。

 ◎郵便年賀.jp  http://www.yubin-nenga.jp 

 ◎おめでた満タン年賀2008  http://www.dex.ne.jp/omedeta/

 それにしても一年は早いものだ。ついこの間、年賀はがきをどのように作ろうか考えたばかりのような気がするのは歳のせいだろうか。毎年各素材サイトから拝借しているが、どうやら今年の年賀はがきづくりは「郵便年賀.jp」で済みそうな予感がする。ざっと覗いただけなのだが、結構、気に入ったデザインのものが提供されているようだ。映画のひとコマから一枚一枚手作りするのも面白いし色々なものを作ってみようかと、その前にハガキを買いにいかねばならないしインクも買っておかねばならないだろう。どうやらこれから寒くなりそうな気配と共に、今年もまた年末が来そうである。




2007年11月 1日 (木)

流浪日記 520 レコード盤自動CD化

  レコード盤自動CD化 01/11/'07

01_30   ティアック株式会社の10月30日付けニュースリリースを残しておきたい。アナログレコード盤から、自動にてCDを作る単品のオーディオ製品である。街角にゴミとして捨てられているレコードを見るたびに、一つの時代が終わっていることを痛切に感じている。アナログレコード再生の不便さとノイズだらけの再生音が若い人たちに受入れられるはずもなく、マニアの間で高値で売買される一部の盤がときに話題となること、ディスコで使われるターンテーブルの回転を手で制御し本来の再生音とは違うものを作り出す使われ方などが、デジタル時代のおける回顧趣味なのだろうか。団塊世代をターゲットにしたコンセプトのようであるが、確かにレコード盤を捨てきれず、PCの中にも全部を取り込めないままに捨て置いているし、これらの財産といえるものかどうかは別にして、多くの方もまた多少なりのレコードをまだ残していることとおもう。あるようでなかった新商品にどれほど需要があるのか、そちらの方に興味があるリリースなのである。

 ◎レコードをCDにダビングできるオールインワンモデル
   ターンテーブル付きCDレコーダー『LP-R400』を新発売

     ティアック株式会社 ニュースリリース 2007年10月30日
      http://www.teac.co.jp/news/news2007/20071030-01.html

 ◎製品詳細情報 ターンテーブル付きCDレコーダー TEAC LP-R400
      http://www.teac.co.jp/cp-audio/lp-r400.html

 おもえばカセットテープの時代に、長いことティアック製品を使っていた。デジタル時代になりPCを主体とした圧縮オーディオ作りに明け暮れる日々に、単品でのこのようなオーディオ製品を自らが買うことはないだろう。しかし、PC操作は不得手という人たちの方が、周りを見渡せばはるかに多い。これらの人たちにいかに売り込むか、そのための話題作りがヒット商品となるかどうかの境目だろう。九月にティアックが発売した「GF―650」は通販専用モデル、ライトアップショッピングクラブ(旧社名:ソニー・ファミリークラブ)のみだったから、一定の成果を得ての市場拡大投入モデルなのであろう。ただし、今回も伊勢丹や三省堂書店、福岡が拠点の岩田屋での販売となるようである。

 長いオーディオ不況で苦しんでいるのは各メーカー共通の悩みながら、このようなPCオーディオの隙間を埋める商品の成功が業績復活の鍵となればいいとおもう。ティアックは2006年10月には導入後一年半でカンパニー制を見直したり、2007年10月には製品開発を全社横断的に統括する新組織「プロダクト開発室」を新設したりと、組織の見直しがなされている。ひとつひとつの小さな流れが、やがて大きな流れととなってかつての輝きを、ビクターブランドの復活をかけてのビクターとケンウッドとの統合のように、取り戻して欲しいと願っている。